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【金 愛】この5年間は何だったのか!文在寅を支持した韓国ライターの悔恨
文在寅政権は、後世に失敗した政府として記憶されることだろう。
任期末を迎えた現在、韓国人は物価高と低成長、高い失業率に喘いでいる。新型コロナ対策による強制的な営業制限のため、街中には廃業した店が並び、働き口を失い、再就職もままならず、失業手当を受けるために列を作る人が後を絶たない。
20回にもおよぶ規制によって最終的に2倍近くにも高騰した不動産価格も、今年に入り下落局面を見せており、資産バブルが崩壊する一歩手前だ。銃を持った軍人ではなく、国民が選出した指導者の手によって、国民が死を迎えようとしている。
この5年間に、大統領など行政府の権限が強化する一方、司法府、メディア、監査院、検察、国会などの権力牽制機関が独立性および権限を失っている。国民の熱狂の中で合法的な手続きが進み、権力を掌握したヒトラーやムッソリーニと同様に、韓国の大統領府も大きな権力を手にしつつある。
実は、筆者もろうそく集会に参加し、朴槿恵前大統領の不正を糺した一人である。今思えば、ろうそく集会こそが熱狂の中で生まれた愚行の所業だった。当時の筆者は国の行く末など何も理解できていなかったということを、この5年の文政権で痛感した。文在寅氏を選べば、朴槿恵全大統領よりも良い政治になると多くの国民が根拠もなく信じたのだった。
朴槿恵前大統領の弾劾を扇動し、クーデターのような形で政権交代に成功した文在寅大統領は、この5年間、韓国人を“コロナ独裁政治”のドロ沼に陥れた。積弊清算を前面に押し出し、反日扇動を日常的に展開する一方、自身に反対する韓国右派を敵と想定し、処断することに集中した。
反日運動は、何の効果もなく終わった。2019年に起きた大規模な不買運動は3年が過ぎた今、いくつかの製品の売り上げは不買前を上回っている。
慰安婦や徴用工問題によって文在寅大統領は日韓関係を破綻直前まで悪化させたが、過去の諸問題もまた解決の糸口すらない。
その中で最も大きな課題は北の核問題だが、北朝鮮による軍事挑発やミサイル挑発、核実験と非核化は実現していない。北朝鮮は最近、シンガポールでの米朝首脳会談での合意を反故にし、核実験再開と、米国本土に対する打撃能力を持つ大陸間弾道ミサイル(ICBM)再発射を示唆している。
この間、文在寅政権の親北親中政策によって米韓同盟は弱まり、日韓関係は文在寅政権の扇動で過去最悪の状態になった。米国と中国の間で均衡外交を追求し、実利を取りまとめるのが文在寅政権の外交原則だが、米国に無視され、中国にも無視されているのが、今の韓国の文在寅政権外交の実態である。
文在寅大統領は就任後の2年間、「積弊清算」という名前の政治的な報復で200人以上を拘束した。
文在寅政権自体に関わる不正疑惑も、曹国前法務長官一家による不正、文在寅大統領の友人を当選させようとした蔚山市長選介入疑惑など、政治経済の両面で疑惑にあふれている。
それでも文在寅政権は、政権に対する捜査を露骨に防いできた。検察改革という名目で、中国共産党刑事部を真似た高位公職者犯罪捜査処を設置した後、側近を調査する記者を監視した。民主主義の完璧な崩壊だ。
今の民主党は、国会議席300席中180席を占めており、18の常任委員会の委員長職を務めている。野党による追及なしで、提出される法案、人事を無条件に通そうとしている。いくら過半数が与党と言えど、与党議員が私利私欲や北従思想に、ここまで傾倒することは思わなかった。
ちなみに、文大統領と北従思想議員との関係が悪化し、解任に追いやられた一人が今回大統領候補として出馬をしている尹錫悦氏である。
これほどまで文政権に権力を与えてしまった責任は、我々国民にある。
しかも、文在寅政権の後に続こうとしている、共に民主党の大統領選候補は親日派を清算するとしている、前科4犯と指摘されている李在明だ。果たして、韓国は政権交代を成し遂げることができるのだろうか。