あわせて読みたい
【鳴門産ワカメ】また中国産や韓国産を国産に偽装? 国産に見える擬態問題も
《ワカメや「鳴門産」の表記があるパッケージなどの押収品=15日午前10時5分ごろ、静岡中央署》
3人の逮捕容疑は2021年11月上旬、社長の男らが経営する同市内の工場で外国産ワカメを使用し、鳴門産ワカメと誤認させる表示をした商品を製造し、同市内の水産会社に出荷して販売した疑い。
同社は「おさしみわかめ」の商品名で湯通し塩蔵わかめを販売している。関係者によると、自社工場で中国から輸入した外国産のワカメを鳴門産と書かれたパッケージに詰めていた。県と静岡市が2020年12月に同社の立ち入り調査を行い、21年7月に「外国産を鳴門産と偽装して販売している」と県警に情報提供した。県警は同年11月末に同社の関係先を家宅捜索した。
同社はホームページで鳴門産ワカメの特徴を紹介し、「安心・安全・新鮮な鳴門産わかめを全国各地にお届けします」とうたっている。関係者によると、製品は北海道から鹿児島県まで30以上の卸売業者を介してスーパーなど400店以上に流通しているという。同署によると、県内では約10の卸売業者に商品を卸していたという。
県警は15日、押収したワカメや商品パッケージなどを同署で公開した。
■「仕入れ価格は国産の半値以下」 相次ぐ産地偽装、消費者に広がる不信感
ワカメの産地偽装で摘発された静岡市葵区の食品加工卸業者は、仕入れ価格が安い外国産を国産と偽って利益を得ていたとみられる。国内では輸入アサリを熊本産と偽る大規模な産地偽装疑惑が明るみに出たばかり。相次ぐ海産物の産地偽装に消費者から「産地表示が信じられない」との声も聞かれる。
「中国産や韓国産の仕入れ価格は国産の半値以下」。
沼津市でワカメを取り扱う海産物加工販売業者の50代の男性従業員は語る。特に岩手県三陸産と徳島県鳴門産はブランド価値があり、外国産との仕入れ価格差が大きいという。
「国産のように見せて袋の裏に小さく外国産の注意書きを入れるなど、グレーゾーンだと感じる製品もある」と食品の産地偽装問題の実態を指摘する。
2022年2月15日(火) あなたの静岡新聞
https://www.at-s.com/news/article/shizuoka/1026818.html