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立憲、維新、国民民主が国会対策の新たな枠組み設置して協議 外された共産の強い反発に「共産外しは誤り」と立憲が一転して謝罪・撤回
このため立憲民主党は15日、方針を一転。共産党に謝罪と撤回を伝え、「今後は各党と個別に会談する」と強調。火消しに躍起だ。
立憲幹部によると、新たな枠組みは、旧民進党系の無所属議員による会派「有志の会」から、国会の審議日程などについて情報共有を求められたことから、国会対策委員長代理のレベルで発足。これに日本維新の会と国民民主党も加わった。
第1回の会合は14日、国会内で行われたが、共産党とれいわ新選組を外した形だったため、共産側は猛反発。共産党の小池書記局長は同日の記者会見で「野党共闘でも維新を自公の補完勢力として、共闘の対象にしないことを確認してきた」として、「維新を野党として協力の対象とすれば、野党の立場が根幹から問われることになる」と不快感をあらわにした。
また「共産党は外されたと受け止めているか」との質問に対して、「そういう扱いをすれば野党の立場は根本から問われる」と重ねて強調した。
こうした共産党の反発を受け、立憲民主党は15日、対応を一転。
ある立憲幹部は「配慮を欠いた行動で、共産党の方に疑念や不快な思いを抱かせたことは本当に申し訳ない」と漏らす。事態の収束に向け、立憲の馬淵国対委員長は共産党の穀田国対委員長と会談し、馬淵氏は「共産党を除く枠組みのあり方は誤りだった。疑念や不快な思いを抱かせたことは誠に申し訳ない」と共産の穀田国対委員長に正式に謝罪し、「共産外し」を撤回する方針を伝えた。
穀田氏は、記者団の取材に対し、「岸田政権の危険性に対する対決姿勢は野党として必要なので、維新を廃除するつもりはないが、『野党』として一緒に話し合いをするつもりはない」と述べ、維新が野党共闘の対象ではないことを改めて強調した。
一方の維新幹部は「本当に情けない。立憲の新旧執行部による内ゲバだが、詫びを入れたことで共産に頭が上がらなくなった」と立憲側を突き放した。
謝罪に追い込まれた馬淵氏は今後、共産を外した枠組みを続けるのか問われ、「いまは考えていない。今後は各党と個別に会談する」と述べるに留めている。
夏の参院選に向けて、共産党も含めた野党間での候補者調整に迫られていることが、立憲の方針転換の背景にありそうだ