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自己肯定感が高い欧米人と低い日本人、何が違うのか?
(出典:ダイヤモンド・オンライン) |
自己肯定感(じここうていかん)とは、自らの在り方を積極的に評価できる感情、自らの価値や存在意義を肯定できる感情などを意味する言葉であり、自尊心(英語: self-esteem)、自己存在感、自己効力感(英語: self-efficacy)、自尊感情などと類似概念であり同じ様な意味で用いられる言葉であ
13キロバイト (1,340 語) – 2020年10月6日 (火) 09:34
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ダイヤモンドオンライン 2/15(火) 6:01
国際比較調査が行われるたびに、欧米諸国の自己肯定感の高さに比べて、日本人の自己肯定感が極端に低いことが話題になります。なぜ欧米人の自己肯定感は、これほどまでに高いのでしょうか? 日本人と欧米人の自己肯定感に極端な差がある理由について考察します。(心理学博士 MP人間科学研究所代表 榎本博明)
● 欧米人の自己肯定感は非常に高い
欧米人と比べて日本人の自己肯定感が低いことは常々問題とされ、自己肯定感を高めようとさまざまな試みがなされている。だが、各種国際比較調査のデータを見ると、いまだに日本人の自己肯定感の低さは際立っており、一向に高まる気配はない。
平成26年版の内閣府調査でも、「自分に満足」という人の比率は、欧米諸国で80%台なのに対して日本では40%台、「自分には長所がある」という人の比率は、欧米諸国では90%前後なのに対して日本では60%程度となっている。このように、自己肯定感の国際比較をすれば、欧米人は非常に高く、日本人はそれに比べて極めて低くなる。
では、なぜ欧米人は自己肯定感が高いのだろうか。まず、自己肯定感はどのように測定されるのかを見てみよう。多くの場合、自己肯定感は、「自分に満足している」「私は価値ある人間だと思う」「自分はダメな人間だと思うことがある」といった項目で測られている。その場合、欧米人は、大人も子どもも、前の二つの項目をほとんどが肯定し、三つめの項目は多くが否定する。反対に、日本人は、大人も子どもも、前の二つの項目を肯定するのは半数にも満たず、三つめの項目は多くが肯定する。
なぜそのように対照的な結果になるのだろうか。それは、文化的背景が異なるからである。
● 欧米人は自己肯定するように育てられている
どんな人間になってほしいと子どもに期待するかを「発達期待」という。日本と米国の発達期待を調べた調査研究によれば、米国の幼稚園・保育園の先生や園児の保護者は、「自信を持てる」子になることが最も大切だとしている。それに対して、日本の幼稚園・保育園の先生や園児の保護者は、「共感・同情・他の人への心配り」ができる子になることが最も大切だという。
別の日米比較調査でも、米国では積極的で自己主張の強い子が良い子とみなされ、日本では感情的に安定した温和で素直な子が良い子とみなされることが示されている。
米国人は幼い頃から、自分に自信を持ち、他人に負けないように自己主張するように育てられる。そのため小さい子どもでも偉そうに自己主張する。それが良い子の条件なのだから、みんな必死になってそうした方向に自己形成していく。
一方、日本人は、幼い頃から、思いやりを持ち、自分勝手な言動は控え、協調性を身に付けるように育てられる。そのため小さい子でも友だちの気持ちを考えて行動する。それが良い子の条件だから、みんな必死になってそうした方向に自己形成していく。
私たち日本人は、「思いやりのある子になりなさい」と言われて育つため、勝手な自己主張をして絶対に譲らない米国人の様子を見てあきれる。しかし、「自己主張できる子になりなさい」と言われて育つ米国人は、遠慮がちで自己主張しない日本人の様子を見てあきれるはずだ。
国際比較調査で言われる自己肯定感の極端な違いは、こうして生まれるのである。国際比較調査の結果を引き合いに出して、日本人も欧米人のように自分に自信を持つようにすべきだといった議論が盛んだが、文化的背景が違うのだから、そんなふうに表面だけまねようとしても意味はない。
● 欧米では自己肯定感が高くないと生きていけない
自己肯定感の高さが著しく異なることの背景として、このような文化的要因がある。
なぜ、発達期待にこのように対照的な違いがあるのか? それは社会がそのように対照的な性質を持っているからだ。発達期待というのは、社会に適応するために必要な性質を身に付けさせるためのものなのである。