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【韓国経済】国家破産レベル…「3月に迎える大危機」絶望的な実情
公的債務は余裕があるものの、家計債務はGDP比100%を超えた。主な原因は、ここ数年ソウルなど大都市圏で高騰を続けた住宅価格にある。さらに新型コロナウイルス禍を乗り切るための資金繰り、また金融緩和(低金利)に乗じた株や仮想通貨などへの「借金投資」が拍車をかけた。21年8月時点で家計債務は1806兆ウォン(約172兆円)と、もはや韓国経済を破産させかねない絶望的な水準にあるのだ。
そして、この3月……。家計債務の巨大な塊に、致命的な打撃を与える可能性のある危険な事態が控えている。
20年4月、コロナ感染拡大の影響から、韓国政府は中小企業や個人事業主を対象に、金融機関からの融資の満期延長と元利金の返済猶予からなる金融支援措置を発動した。『大韓金融新聞』東京支局長の金賢(キム・ヒョン)氏が解説する。
「韓国は早くから、日本の緊急事態宣言を上回る厳格なソーシャルディスタンスを実施していました。それにより、内需に頼る中小企業と個人事業主は大打撃を受けます。一方で、日本の『持続化支援金』や飲食店への『協力金』に当たる現金給付は、年間数十万円程度と極端に少ない。代替策として出したのが、上記の金融措置です」
◆猶予しても債務は雪だるま式に……
当初6ヵ月の予定だった金融支援措置は2回延長され、今年3月に終了することになっている。次期大統領選で苦戦中の与党=政府が、さらなる期間延長を指示する可能性はあるが、金融当局は極めて消極的だ。延長すればするほど、債務者が返済すべき借金が膨れ上がり、貸倒のリスクが高まるからだ。金支局長が続ける。
「融資期間の延長や元金の返済猶予は過去、日本でも行われたことがありますが、金利まで猶予されたのは珍しい。たとえ単利による融資であっても、債務は雪だるま式に膨れ上がってしまいますから」
21年7月末時点で同措置の対象となった借り主の債務残高は、120兆7000億ウォン(約11兆円)に達する。
「韓国政府は当初、ワクチン接種率を高めソーシャルディスタンスを緩和し、中小企業と個人事業主のビジネスを正常化させようとした。3月の金融支援措置終了を、ソフトランディングさせるつもりだったんです。しかしオミクロン株の感染再拡大で、目算は瓦解します」(金支局長)
金融支援措置は、中小企業と個人事業主が対象だ。政府が懸念する家計債務とは別枠である。だが実際には、両者は密接につながっている。
「個人事業主にとって、金融機関から借り入れた事業資金と個人名義のカードでキャッシングした資金の区分はあいまいです。特に、経営が苦しいほどその傾向は強まります。
中小企業の経営者は本来、地域金融機関への信用力が強いため、家計債務の面で『大口』であるケースが珍しくない。しかしひとたび事業が傾けば、その返済に黄信号が灯ります。また零細な企業なら経営者が事業や雇用を守るため、個人の信用で融資を受けていることも少なくないんです。中小企業の経営悪化が及ぼす、従業員の懐具合への影響は言わずもがなでしょう」(同前)
韓国では現在、次期大統領選が佳境を迎えている。その足元では、韓国経済が薄氷を踏むような危機的状況にあるのだ。
FRIDAYデジタル
https://news.yahoo.co.jp/articles/df75add3b4cfa99adb79fb16d8b54f01e2f2374e