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阪神・伊藤将司 能見直伝クロスファイヤー極める 右打者殺しへ内角えぐる
阪神・伊藤将司投手(25)が29日、“能見流クロスファイヤー”の習得に意欲をみせた。沖縄合同自主トレ初日からブルペン入りし、右打者への内角直球を数多く投げ込んだ。今オフのオリックス・能見との合同自主トレで得た右打者殺しの極意を、シーズンの投球に反映させていく。
左腕がしなると、内寄りに構えた捕手のミットに伸びやかな直球が吸い込まれた。直球のみで計51球。右打者の内角ゾーンに数多く投げ込んだ伊藤将は「昨年、内に投げることが少なかったので、そこをしっかり意識しながら投げました」と開幕までの重要テーマを口にした。
右打者の内角をえぐるクロスファイヤーを極めることができれば、新球フォークの威力が増大する。「内を意識させてフォークで三振を取れたら一番理想なんで」。昨季、左打者の被打率・202と比べ、右打者には同・254と苦手とした。昨季の10勝7敗、防御率2・44からのレベルアップを目指し、「どんどん右の内を意識して投げていこうと思います」と力を込めた。
「クロスファイヤー」と「フォーク」という2つの単語から連想される左腕がいる。阪神時代はポーカーフェースで何度も勝利に導いたオリックス・能見だ。伊藤将は今オフ、目標とするベテラン左腕に弟子入りし、フォークを教わった。より効果を発揮させるために、まずはクロスファイヤーの技術を高めていく考えだ。
ブルペンでの変化球解禁は未定で、これもストレートを重要視する“能見流”だ。昨季は状態が落ちると変化球に頼りがちになる傾向があった。自主トレで能見から「調子が悪い時こそ真っすぐが軸になる」という言葉をもらったことで、原点となるボールにさらなる磨きをかける。
「まずは球数を多く投げて仕上げる。まだ(立場は)分からない状態なので。まずはしっかりアピールして、そこの位置に立てるようにやっていきたい」と慢心はない。17年ぶりリーグ優勝の立役者となるべく、伊藤将が南の地で汗にまみれていく。