あわせて読みたい
知ってた?高級腕時計が異常な値上がり!
ロレックス(Rolex)は、スイスの高級腕時計メーカーである。1905年にドイツ人のハンス・ウィルスドルフがロンドンで創業した。 現在は「ウォッチ」に分類される腕時計を主たる商品としている(時計業界では、腕時計や懐中時計を「ウォッチ」、置時計や壁時計などを「クロック
38キロバイト (5,628 語) – 2021年9月24日 (金) 02:15
|
腕時計投資家の斉藤由貴生です。常日頃から、中古腕時計の相場をチェックしている私ですが、現在、とても凄いことが起きています。
何が凄いのかというと、多くのモデルが「派手に上昇」といった値動きとなっているのです。グラフを見れば明らかなのですが、ここ最近、急激な右肩上がりとなっているモデルが続出しているのです。
ということで今回は、そういった値動きに該当する腕時計をロレックスを中心に、いくつか紹介したいと思います。
◆これまでの値動き変遷
各モデルの紹介をする前に、まずはこれまでの年ごとの値動き変遷を振り返りたいと思います。2015年から2021年までの様子は、ざっくり以下のとおり。
2015年:上昇傾向
2016年:夏から冬にかけて下落トレンド
2017年:目立った上昇
2018年:2017年に引き続き上昇
2019年:上半期は超上昇トレンド、下半期は下落トレンド
2020年:緊急事態宣言によりさらなる下落、夏頃から回復
2021年:2019年を超える上昇トレンド
これらを加味して、現在の様子を見ると、どうなるか。その答えは、前代未聞の上昇トレンドであるのです。
サブマリーナー116610LVは、少なくともここ10年以上に渡って、「人気モデル」の中心といった存在感の腕時計です。人気モデルのサブマリーナーの文字盤とベゼルが「緑色」となっているモデルなのですが、「黒」よりもかなり高い価格帯に位置します。
色が違うだけにも関わらず、ずいぶん高い相場となっているわけですから、「割高」という感覚になるかもしれません。しかしながら、このモデルは、人気ゆえに値動きが激しく、定価よりも高いプレミアム価格で買ったとしても、その後の価値が「より上昇する」といったことが珍しくないのです。
そんな116610LVが、これまで最も急上昇したのが、2020年9月近辺といった時期。その時の“値上がり理由”は明白で、「生産終了」となったからです。
生産終了というニュースがあると、例外はあるものの、多くのロレックスは、目立った上昇となることが多くあります。そして、116610LVも、その際前代未聞な急上昇を遂げたわけです。
そして2022年1月の今、116610LVはどのような値動きとなっているか。その答えは、まさに2020年9月と同じような「急上昇」となっているのです。
それは、グラフを見るとわかりやすいのですが、急上昇する線の様子がまさに、177万円から253万円に上がった2020年9月とそっくりな「右肩上がり」といった状況。現在、116610LVには、「生産終了」といった大きなニュースがないにも関わらず、生産終了発覚時と同じような急上昇をしているというのは、驚くべき値動きだといえます。
そして、そのような急上昇となっているのは、116610LVだけに限らず、多くのモデルに該当します。
今回は、ロレックスを中心に取り上げていますが、いわゆる「人気モデル」というポジションに該当するような腕時計は、他のブランドでも、多くが目立った上昇をする様子があります。
デイトナ116500LNは、まさに「人気モデル」の中心的といえるような存在ですが、これもまた、116610LVと同じような急激な上昇をしています。
グラフを見ると2021年3月近辺と同じような値動きが現在起こっているわけですが、その2021年4月もまた、116500LNがこれまで最も目立った値動きをしたといえる時期であります。
2021年4月に、ロレックスの新作発表があったのですが、当時、デイトナの新モデルが発表されるという噂が流れ、116500LNが生産終了になるのではないかと考えられていました。そういったことが影響して、2021年4月近辺において、116500LNは100万円以上も急上昇したわけです。
結局、その時116500LNは生産終了とはならず、4月以降はやや下落。とはいえ、噂の影響(と思われる)による上昇分をすべて失うといった、急激な値下がりとはならず、やや下落した後、回復し、再び上昇傾向となっています。
そんな、116500LNですが、現在の様子はまさに、2021年4月頃と同じぐらいの急激な値上がりといった様子であります。
ちなみに、私が確認した最安値は、2022年1月9日が427万円(黒文字盤)だったのに対し、22日には約468万円(黒文字盤)へ変化。つまり、2022年1月という短い期間の中で、デイトナ116500LNの最安値は、41万円程度も上昇しているのです。
2018年3月に登場したこのモデルは、「青赤ベゼル、ステンレス」という、GMTマスターシリーズのアイコン的要素を約10年ぶりに取り入れられた存在です。
従来、「青赤ベゼル」はGMTマスターシリーズにとって当たり前な要素でしたが、10年間も現行モデルが不在だったため、復活時には、大きな注目となったわけです。
そういったことと、2018年という上昇傾向な時期が重なり、デビューするや否や、この126710BLROは、定価よりもずいぶん高い新品実勢価格となっていました。
そして、中古相場についても同様で、その立ち位置は、「デイトナの次」といったほど。ロレックスの中古相場において、デイトナは最も高い価格帯ですから、2番目に高いといったポジションだったといえます。
けれども、そんな126710BLROは、長らくデビュー時の水準から大きく変わることがなく、2021年4月頃まで、最安値が200万円前後と表現できる価格帯となっていたわけです。
しかし、2021年6月ごろから126710BLROは、中古相場が変化するようになり、2021年12月には、最安値が270万円台に達していました。
そして、2022年1月現在の最安値はどうなっているかというと、なんと300万円台後半といった状況。実に、1ヶ月前よりも100万円程度も高くなっているわけです。
◆他にも上昇モデルがたくさん
以上、「ロレックス人気モデル」を中心に、2022年1月の急激な上昇という様子を紹介しましたが、他にも同じような『右肩上がりのグラフ』となっているモデルは多々あります。なぜ、今、これだけ上昇しているのか、その明白な理由は定かではありませんが、私が見る限り、これまで最も凄い値動きが現在進行系で起こっているということは確かであります。
このような急上昇から始まった2022年は、中古腕時計市場にとって歴史的な1年になると思います。
<文/斉藤由貴生>
【斉藤由貴生】
1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある