あわせて読みたい
北京五輪前の中国で巻き起こる異常な羽生フィーバー!羽生結弦が“政治利用”され違法グッズが蔓延!?
北京冬季オリンピックの開催が目前に迫っている。オミクロン株感染拡大の影響が懸念されるなか、日本からは122人の選手が派遣される予定で、メダルの行方が注目される。
フィギュアスケート日本代表・羽生結弦(27)は今大会で最も注目さる選手の1人だが、実は開催国の中国でも大人気。連日、国営メディアは羽生関連のニュースを報じ、中国SNSでも「柚子(羽生の中国での愛称)の頑張っている姿を見ると感動して泣いてしまう」「4Aの成功を祈っています。北京五輪の金メダルはあなたのもの。大好きです」など応援メッセージであふれている。五輪では“ライバル”となる日本人選手をここまで応援するのはなぜか。中国事情に詳しいライターの広瀬大介氏は言う。
「羽生選手が中国で有名になったのは2014年のこと。上海で開催されたフィギュアスケートのグランプリシリーズの公式練習中、中国代表の閻涵(エン・カン)選手と衝突し、顔面から流血する事故がありました。このとき、羽生選手は閻選手のけがの状況を心配したと中国メディアが報じました。その後、羽生選手がけがをおして、テーピングを頭に巻いて演技を披露する姿は、多くの中国人の心を打ちました。もうひとつは、2017年の世界フィギュアスケート選手権。この大会で優勝した羽生選手は、国旗掲揚の際、3位だった中国代表が掲げていた中国国旗が反転していたことに気付き、すぐに駆け寄って向きを正したんです。この出来事は国営メディアでも大きく報じられ、細やかな気配りに多くの中国人が感動を覚えました」
中国SNSでは羽生に関する話題は北京五輪が近づくにつれて盛り上がりをみせており、彼の情報を専門につぶやくファンアカウントのフォロワー数は156万人以上に達する。あの華春瑩(か・しゅんえい)中国外務省報道官もツイッターで「羽生結弦選手のファンの皆さまへ、『現地応援は中国の皆さんに託す』との声を目にしました。お任せください!」と、名指しで言及したほどだ。
一方で、加熱した人気の“弊害”も出始めている。最近、中国ECサイトでは羽生の違法グッズが多数、取引され始めた。無関係の中国業者や個人によって製造されたこうした商品の多くは、中国ネット通販大手・アリババ傘下のECサイトなどで出品されており、例えばキーホルダーは720円、ハンコは800円、人形は1400円ほどで売られている。さらに手作り感満載の写真を巻きつけただけの加湿器や、自作のフィギュアのようなものまである。肖像権を侵害したこうしたグッズが堂々と取引され、それなりに購入している人もいるようだ。
■羽生の名前が商標登録された!?
違法グッズだけではない。羽生の名前で勝手に商売しようという不逞(ふてい)の輩も現れている。
「中国の商標権を管轄する国家知識産権局では、すでに『羽生結弦』という名称が2017年~2019年の間に、10件も商標登録申請が行われています。ただし、ほとんどは申請の取り消し措置が取られています。一方、中国での羽生の愛称である『羽生柚子』については、申請が受理されているんです。申請登録を行った中国企業は、飲食店や喫茶店などの商標カテゴリーで登録を行っており、商標の使用期限は2029年までとなっています。北京五輪後に、羽生の名前を冠した飲食店が中国各地で誕生する可能性もあります」(広瀬氏)
便乗ビジネスにまで発展しそうな勢いだが、ジャーナリストの周来友氏は中国での羽生人気についてこう述べる。
「中国のフィギュアスケート選手はどちらかというとマッチョ系が多く、羽生選手のような色白で繊細そうなタイプの美男子はあまりいないのです。氷上のパフォーマンスはもちろんですが、とにかく『かわいい』と中国の20~40代の女性たちから熱狂的に支持されています。さらに中国政府にとっても、羽生選手が欠かせない“目玉”であることは間違いありません。彼は欧米の有名選手と違ってボイコットや人権問題に関する発言はしていないので、中国政府にとっても“優等生”なのです。五輪を成功させるため、国内外に向けて羽生フィーバーを盛り上げていくのではないでしょうか」
中国でも大きな影響力を持つ羽生。いよいよ10日後に迫った冬季五輪で、どんな活躍を見せてくれるのか楽しみだ。(山重慶子)
https://news.yahoo.co.jp/articles/10f10d2cb7913c2c4c38a2338655399ca143e809
https://i.imgur.com/8zGBESH.jpg