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韓国産ラーメンがフランスでリコール 基準値56倍の有毒物質検出にメーカーは「EUは厳しすぎる」と反論
◆「韓国では問題ない EUの基準は厳しすぎる」
フランスで販売されていた韓国産のインスタントラーメンから基準値を超える化学物質が検出され、リコールの対象となった。フランスや韓国のメディアが伝えている。
報道によると、フランス全域で販売されていた韓国産のインスタントラーメンから、2.8ppmの「クロロエタノール」が検出された。これは、EUの基準とする値の56倍にあたる。「クロロエタノール」は強い毒性を持ち、医薬品や染料、殺菌剤の合成原料として使われる。大量に体に入ると中枢神経や腎臓、肝臓などに障害を引き起こし、濃い蒸気を吸引すると死亡する可能性もある。
このインスタントラーメンを製造するメーカーは「韓国ではクロロエタノールに基準を設けないほど、体に全く害はない。EUの基準値は超えているが、韓国国内の基準で考えれば何も問題ない。EUの基準は厳しすぎる」などと主張しているという。
フランスでは昨年、別の韓国メーカーのインスタントラーメンもリコールされている。理由は今回と同様、基準を上回る有害物質が検出されたためだった。
◆基準値超える有害物質検出続きEUがルール強化
こうした事態が続き、EUは韓国産ラーメンの輸入に対するルールを厳格化した。今年1月から、「エチレンオキシド」がEUの基準値を超えていないかを証明する書類の提出を韓国側に義務付けた。「エチレンオキシド」は殺菌や消毒に使われる有害物質で、国際がん研究機関は「1級発がん物質」に指定している。
ただ、韓国政府や企業はEUのルール強化への対応が遅れている。義務とされている証明書を付けず、すでにEUへ輸出したインスタントラーメンがあり全量廃棄される可能性が指摘されている。
インスタントラーメンに限らず国内で販売する商品であれば、韓国のルールや基準に従えば問題ない。しかし、輸出する場合は、輸出先が定めるルールに則るのが当然だろう。「韓国では問題ない」、「EUは厳しすぎる」との言い分は苦しい。EUの基準に合わせて輸出するのか、輸出をやめるのか、いずれかを選ぶしかない。