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帝京大ラグビー部・岩出監督が勇退 常識覆す「上級生が雑用」システムを作り上げた理由
東スポWeb
帝京大ラグビー部を名門へと導いた岩出監督(東スポWeb)
帝京大を10度の大学ラグビー日本一に導いた岩出雅之監督(63)が9日に退任を表明した。この日の大学選手権決勝で4大会ぶりの優勝を果たした後の会見で明らかにした。
日体大出身の岩出監督は1996年度から帝京大を指揮し、2009年度の全国大学選手権で初優勝すると前人未到の9連覇を達成。日本が史上初のベスト8入りを果たした2019年W杯日本大会では、ナンバー8の姫野和樹(トヨタ)やSH流大、CTB中村亮土(ともに東京SG)ら帝京大の教え子8人を代表に送り込んで注目された。学生時代にケガがちだった姫野には、あえて大学ラグビーの出場時間を制限して将来につなげた。
そんな名将が体育会系の常識を覆し、上級生が雑用係を行う画期的なシステムを導入したのは有名だ。かつて「今はみんな大事に育てられている。ポーンと昔の体育会系のタテ関係に入ると、つぶれてしまう。つぶさないために余裕を持たせて自分を見つめさせる。自分のことを知らない子が多いから。下級生の時に時間をもたせて、少しずつ余裕を何に使わせるか考えさせる。ずっと雑務をしていたら育たない」と意図を語っていた。
あくまで学生にすべきことを考えさせて行動してもらう。だからこそ頭ごなしの物言いはしない。「変われと言っても人はなかなか変われない。言えば言うほど、ゴムと一緒で伸ばすとまた元に戻ってしまう。変わってもらうには、成長を助けるいい体験ができる環境をつくることかな。成功も失敗もバランスよくさせてね。それに学生がどのようにしたら人の話を受け入れるか、考え方を前向きにしていけるか、それぞれにかける言葉の違い、かける人の違いは考えてきた」と語ったこともあった。
ラグビーの指導もさることながら、人間教育に力を注いできた岩出監督。その教えを引き継いだ教え子たちが、将来の日本ラグビー界をさらに発展させるに違いない。
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