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野球殿堂入りの山本昌氏 アイドル雑誌の表紙を飾った際に「右手」で握手をした理由
東スポWeb
野球殿堂入りの会見を行った山本昌氏(東スポWeb)
【取材の裏側 現場ノート】山本昌さんの野球殿堂入りが決まった。3度の最多勝をはじめ、最優秀防御率、沢村賞、最多奪三振などのタイトルを受賞し、通算219勝を誇る中日のレジェンド左腕。41歳でのノーヒットノーラン、50歳での一軍登板と数多くのプロ野球最年長記録を打ち立ててきただけに、誰もが納得の選出だろう。
そんな山本昌さんが、アイドルと一緒にグラビアに登場したことがあるのをご存じだろうか。2013年に発売されたアイドル雑誌「BUBKA」10月号(白夜書房)では山本昌さんとSKE48の須田亜香里さんがナゴヤドーム(現バンテリンドーム)のサロンで握手を交わしている写真が表紙を飾っている。この時に行われた「生涯現役対談」の中で山本昌さんは「僕が一番幸せなことは王さんも長嶋さんもできなかった年齢までやっていることです。長く続ける幸せは僕が一番知ってますから。須田さんがずっとSKE48のトップで35歳までやれたらすごいことだよ。みなさんの声援を受ける幸せをいつまでも感じられるように努力しなきゃいけないね」とアドバイスも送っている。
このときの表紙写真で注目してほしいのが山本昌さん、須田さんとも左利きにも関わらず右手で握手をしていることだ。
「あの撮影で、印象に残っているのは山本さんは利き手で握手は絶対にしないということでした。長年、投げ続けていたことでヒジがある一定のところからあまり伸ばせなくなっていたみたいで…。そこまで野球に人生をささげている。その姿に須田さんも感銘を受けてましたね」。
これは山本昌さんを取材したBUBKA編集者から聞いた話である。山本昌さんは当時48歳。30年間、プロ野球のマウンドで投げ続けてきただけに肩、ヒジだけでなく体中のあちこちが〝勤続疲労〟を起こしていたのは間違いない。にも関わらずこの年、5勝を挙げているのだから、いやはやとんでもなくすごい人であった。
「山本昌さんの気配りは本当に素晴らしかったです。僕らも須田さんも初対面ですから、めちゃめちゃ緊張していたんですけど、その緊張をほぐそうと、とてもやさしく対応してくれました。いやー、いい方でしたね」。BUBKA編集者のこの言葉には「そうなんだよ。山本さんてそういう人なんだよ」と心の中で同意せずにはいられなかった。
記者は現役時代、何度も話を聞きに行っているが、嫌な顔をされた記憶がない。KOされた後でも、球場の駐車場で待っていると必ずこちらの取材に応じてくれた。「話を聞きにきてもらえるのはありがたいことですから」。日本プロ野球史に残る大投手でありながらえらぶったところがなく、周囲への配慮を忘れない。
評論家となった現在もそれは同じで「昌さんて物腰が柔らかいし、NGの質問もないでしょ。何よりドラゴンズ愛にあふれたトークをしてくれるので、ありがたいですよね」と地元放送関係者の間での評判もすこぶる良いのである。
西沢道夫、坪内道則、杉下茂、近藤貞夫、権藤博、江藤慎一、高木守道、星野仙一、落合博満、そして立浪和義(敬称略)。ドラゴンズ出身の殿堂入りプレーヤーは現役引退後、皆、監督を務めている。山本昌さんもいつかきっと…。メジャーでは87歳まで監督を続けた例があるが、50歳まで現役を続けた山本昌さんなら史上初の「100歳監督」も夢ではないと思っている。(中日担当・宮本泰春)
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