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阪神・伊藤将司 能見魂いただきました!! 変化球に頼るな、直球磨け
〝能見魂〟継承! 阪神・伊藤将司投手(25)が14日、沖縄県内のグラウンドで行っているオリックス・能見篤史投手兼任投手コーチ(42)との合同自主トレを公開。オンライン取材に応じ、かつての虎のエースから直球の重要性を説かれたことを明かした。来月の春季キャンプでは大先輩のようにストレート一本でのブルペン入りを宣言。〝能見2世〟として2年連続の2桁勝利を目指す。
口ひげを蓄え、ワイルドな風貌になった伊藤将の沖縄での毎日は、刺激ばかりだ。ついに実現したオリックス・能見との合同自主トレ。気温16度の南国の地で、このチャンスを逃すまいと質問攻めし、先輩からもらった金言を成長につなげる。
「能見さんの横でキャッチボールをやらせてもらって、自分の悪いところを指導してくれたりしてくれているので、今はそこを意識しながらやっています」
キャッチボールやダッシュ、ティー打撃などで約5時間、みっちり汗を流し、来月に迫る春季キャンプに向けて準備を進めた。
1年目の昨季は開幕から先発ローテを守り、10勝7敗、防御率2・44と活躍。能見は「キャッチボールを見た感じ、コントロールがいいのは間違いない。体の使い方でもしっかりラインが出せるので心配はない」と実力を認める。一方で「状態が落ちてくると、変化球に頼りがちになるのは非常に多い傾向。僕自身もそういう傾向があったので」と弱点を指摘した。
言いたいことはただ一つ。真っすぐを磨け―。ポイントは投手の生命線である直球だった。「真っすぐさえ質がしっかり戻れば、いろんなことができる」。オリックスに移籍して1年以上が経ってもなお、合同自主トレという形で古巣の後輩の面倒見ているのは、虎への愛情があるからこそ。自分と入れ替わる形で入団してきた〝後継ぎ〟に自分の培ってきた経験は惜しみなく伝えている。伊藤将も「『真っすぐがあっての変化球だよ』と言われた。調子が悪い時こそ、意識してやらないとなとは感じた」と大きくうなずいた。
まずは軸となるストレートの質を上げるため、練習でも〝能見流〟を取り入れる。能見は阪神時代、春季キャンプの中盤までブルペンでは一切変化球は投げず、真っすぐのみを投げる調整法を貫いてきた。投手の基本は直球-。伊藤将もそれにならい「自分もそうやって取り組んでみて(真っすぐの状態が)良かったのか分かればいい」と意欲的だ。
入団時から憧れの投手に挙げていた〝師匠〟の魂を受け継ぎ、飛躍する。今年の目標は2年連続の2桁勝利。プロ1年目からの達成となれば、球団の左腕では1967年から9年連続の江夏豊以来。くしくも直球を武器としたレジェンド左腕だ。
「2年連続で2桁勝利できるように。チームとしては去年優勝できなかったので、優勝できるように頑張っていきたい」
〝能見2世〟に俺がなる!! 切れが増した直球で2022年も結果を残し、エースへの道を切り開く。(織原祥平)