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新庄剛志監督、多田野コーチらに指導禁止令 コーチは新人の質問に「答えるな」金の卵がコーチに潰され2、3年で消えるのが忍びない【たった一度の過ちもないように?】
スタッフ会議を終えた新庄監督は、少々意外な言葉を口にした。「新人がコーチに対して『どうしたらいいですか』と質問しますよね。これに『答えるな』と言いました」。この日、プロの世界へ第一歩を踏み出した13人の新人への“指導禁止令”だった。
「1年目は自由に暴れてほしいんですよ。だから『言わないでくれ』ということです」
プロに入って時間が経つごとに、スカウトに高く評価されたはずの“自分らしいプレー”を見せられなくなる選手は多い。投手で言えば、どんどん球速が落ちていくといった例も決して珍しくはない。新庄監督も、そうしていつしか球界を去っていった才能を、たくさん見て来たという。
「せっかくいい素質の子がプロに入ってもコーチに押さえつけられて、2、3年でいなくなるのを本当にたくさん見てきた。かわいそうだなと」
そんな悲劇が生まれる原因はどこにあるのだろうか。
「クビになって、責任を取るよというコーチがいますか?」
「指導を聞かないといけない状況になっているんですよね。でも、(選手が)クビになって責任を取るよというコーチがいますか? いないじゃないですか。それなら思い切りやりなさいということです」
1年目はまず、思い切り自分の力を見せてほしい。その上でプロの壁を乗り越える必要を感じたら、手を差し伸べるという親心だ。
指揮官はキャンプまでの毎日が楽しくて仕方がないという。自らのテレビやSNSを通じた発信を目にした選手たちの、目の色が変わったのを感じている。「誰を使いたいとかメンバー組みますよね。ラインナップを作っていたら、頭がおかしくなるんじゃないかと思う。1つのポジションに2~3人固まっている。ここに助っ人外国人も入って来る。もう(決めるのは)じゃんけんでもいいのかなくらいの悩み」。チームを強くするために不可欠な“競争”が、あちらこちらで生まれている。もちろん、即戦力候補を始めとした新人の名前も、その中にある。
「今年はテスト段階です。選手も僕もコーチも全部テスト。それくらいガンガン攻めていこうということ。日本ハムの動きが気になるという1年にはしたいですね」
年末まではテレビ番組への出演が続き、多忙を極めた。その中で、残念に思っていることがある。「番組ごとに『これからのプロ野球をお願いします』って言ったけど、使われないんだよね。ショックで、言い続けてやろうと思っている」。言葉でもやり方でも、新しい日本プロ野球の姿を生み出していく。
https://news.yahoo.co.jp/articles/38116686ec89996db9c473b5268b511f9d4a7fda