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33キロバイト (5,378 語) – 2021年12月9日 (木) 09:38
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ライター・永江朗氏の「ベスト・レコメンド」。今回は、『やさしくない国ニッポンの政治経済学』(田中世紀、講談社選書メチエ 1100円・税込み)を取り上げる。
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生活保護について考えると暗い気持ちになる。役所は受給申請者を門前払いし、ネットでは受給者バッシングが止まない。
そのため受給せずに餓死したり病死したり自*たりする人が絶えない。生活保護受給者への批判は、カネがないなら*と言っているのと同じだ。
いつから日本人は困っている人に対して冷酷になったのだろう。弱者や困窮者に冷たいのが、
日本人の国民性・民族性なのだろうか。田中世紀『やさしくない国ニッポンの政治経済学』を読みながら考えた。
著者はオランダのフローニンゲン大学助教授で、専門は政治学・国際関係論。
残念ながら、日本人がやさしくないということについてはデータがある。イギリスの財団が作成した「世界人助け指数」の総合ランキングで世界126カ国中107位。
「人助け」項目では最下位。他の国際調査でも、日本人が他国の人に比べてやさしくないことがあきらかだ。
なぜなのか。ことの背景はそう単純なものではなさそうだということが、田中の本を読むとわかる。いくつか示唆的なことが書かれている。
たとえば、ある研究によると、日本人は他者を信頼しない傾向がある。それは、人と人との関係のあり方を社会制度に頼っていたため、
他者を信頼するトレーニングを受けてこなかった結果ではないかというのだ。なにしろ総理大臣が「自己責任だ」とか「まずは自助」なんていう国だもの。
困った人を助けない社会は生きづらい。自分がいつ困った状態になるか、たえず不安にさらされるからだ。
生活保護受給は当然の権利だし、国や自治体には人を守る義務がある。自己責任論なんてぶっ飛ばせ。
※週刊朝日 2021年12月31日号
https://news.yahoo.co.jp/articles/bf533fd27070f79a8a80ea6b38fa3da789d3fd42
※前スレ
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