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2021年プロ野球界“3大炎上発言”「日サロ行き過ぎやろ」「嫁入り前のお嬢ちゃんが」「見た瞬間、ちょっとイラっと」
2021年12月30日
https://www.dailyshincho.jp/article/2021/12301700/?all=1
「日サロ、行き過ぎやろ」
「口は禍の元」といわれるが、プロ野球界でも、選手や球界OBのテレビやネット上での発言が物議を醸し、炎上騒ぎに発展することが少なくない。1年の最後に、今年、大きな波紋を呼び起こした3つの“炎上発言”を振り返ってみよう。【久保田龍雄/ライター】
試合前の円陣で声出し役を務めた選手への心ない一言が問題化したのが、日本ハムである。4月11日の試合前、日本ハムナインはベンチ前で円陣を組み、3年目の若手外野手・万波中正が「声出し役」を務めた。前日のオリックス戦で2点目につながる二塁打を放ち、チームの勝利に貢献した万波は「一昨日と昨日勝てて、今日勝てば今シーズン初の3連勝ということで、全員で勝ちに行きましょう。さあ、行こう」と気合を入れた。
だが、一部の選手が「何で?」「一人でやれ、お前」などと非協力的な反応を示し、せっかくの声出しも報われない。さらに、追い打ちをかけるように、誰かが「日サロ(日焼けサロン)、行き過ぎやろ、お前」と茶化し、周りから「それはまずい」とたしなめる声も聞こえてきた。コンゴ人の父を持つ万波を揶揄するような発言は、「悪気はなかった」では済まされない。
■「人種差別発言」「パワハラ」
そして、球団のツイッター公式アカウントに投稿されたこの動画は、4ヵ月以上経過した8月中旬に再生数80万回とアクセスが急増し、「どう捉えても人種差別発言」「パワハラも重なってて最悪」などの非難が相次いだ。
ちょうどこの時期は、主砲・中田翔が後輩への暴力行為で無期限謹慎処分を受けた直後で、球団に対する世間の注目度が一気にアップした結果、問題の動画も多くの人の目に留まり、顰蹙を買ったようだ。
球団側は8月18日にこの投稿を削除し、「誤解を招く可能性のある一部ツイートを削除いたしました」と説明したが、月日も経過しており、誰の発言かは特定できなかったという。昨年も試合前に声出し役を務めた巨人の選手が、与死球の多い相手投手を茶化すシーンが球団オフィシャルのSNSで公開され、「相手をリスペクトするくらいはしてほしい」と批判された。
テレビ中継では見ることができない、試合前のナインの様子を動画でファンに公開するのは、気の利いたファンサービスだが、内輪同士の気楽さから、口にブレーキがかかりにくくなるのも事実。今後は投稿前に発言内容をしっかりチェックする万全の対応が望まれる。
■「降板させるべき」
前出の日本ハム騒動の少し前、東京五輪開催中の8月8日に球界OBによるもうひとつの炎上騒ぎが勃発した。同日、「サンデーモーニング」(TBS系)に出演した評論家の張本勲氏が、ボクシングフェザー級で日本女子初の金メダルを獲得した入江聖奈選手について、「嫁入り前のお嬢ちゃんが顔を殴り合って、こんな競技好きな人がいるんだ」とコメントしたことが、日本中の反感を買ったのだ。
SNSを中心に「降板させるべき」の声が上がり、日本ボクシング連盟もTBSに抗議文を提出した。TBS側は同連盟に「本来であれば番組内で対応すべきでした」と謝罪し、「今回の私の発言は言葉が足りませんでした。入江選手の快挙を称えると共に、自分も金メダルを取れるのではと思って、ボクシングをやる女性が増えてほしいということを本当は言いたかったのです。言葉足らずで反省してます」という張本氏のコメントも添えられた。
これまでにも三浦知良に「もうお辞めなさい」と引退勧告し、「野球以外語ったらダメ!」とサッカーファンの怒りを買うなど、歯に衣着せぬ発言で何度も炎上していた張本氏だが、その後、11月28日の同番組で「私の都合で、シニア人生、ゆっくり過ごしたいんですよ」と年内での“卒業”を宣言。一部報道では、入江選手の一件に責任を感じ、自ら身を引いたとも伝えられる。“直言居士”も時と場合によることを痛感させられたことだろう。
■“ビッグボス”にいちゃもん
そして、シーズン後にも、もう一人の球界OBによる炎上騒ぎが起きる。日本ハムの新庄剛志新監督が就任会見を行った直後の11月17日、清原和博氏が自身のユーチューブチャンネルで、「見た瞬間、ちょっとイラっとしましたね」「プロ野球の監督になったら、ある程度(服装も)ちゃんとしてくる」などと、赤いスーツと襟高シャツ姿で会見に臨んだ“ビッグボス”にいちゃもんをつけたことがきっかけだった。
たちまち、「服装云々については、清原が言う資格は無い」「清原さんはファンを裏切りましたが、新庄さんはパフォーマンスでも野球でもファンを裏切ったことはありません」「新庄監督! こんな人に負けないでください」など、清原氏への批判と新庄監督を支持する声が相次ぐ結果を招いてしまう。
薬物からの更生に努め、少年野球の指導や甲子園の阪神-巨人戦で解説者を務めるなど、世間のイメージが良くなりつつあった矢先の大逆風は、これからメディアへの露出を増やしていこうとする清原氏にとって、大ダメージになったのは言うまでもない。
新庄監督が采配を振るう来季は、何かにつけてコメントが注目される立場になるが、名誉挽回の“逆転ホームラン”が飛び出すか、炎上再びとなるかは、清原氏の対応いかんにかかっている。「綸言汗のごとし」と言われるように、野球人に限らず、不用意な発言には、くれぐれも注意したい。
久保田龍雄(くぼた・たつお)
1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。最新刊は電子書籍「プロ野球B級ニュース事件簿2021」上・下巻(野球文明叢書)
引用元: https://hayabusa3.2ch.sc/test/read.cgi/mnewsplus/1640859853/