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元阪神の高野圭佑 台湾時代は月収10万円、トライアウトで新庄監督の目に留まるも…野球への思い語る
元ロッテ、阪神で今季限りで台湾・中信兄弟から戦力外通告を受けた高野圭佑投手(30)が28日放送のTBS「プロ野球戦力外通告」(後11・00)に出演した。
高野は15年ドラフト7位でロッテ入り。19年途中にトレードで阪神入りも、昨年オフに阪神から戦力外通告を受け合同トライアウトに参加したがNPB球団から声はかからず、今季は台湾・中信兄弟と契約した。10月8日に初の1軍昇格、10日の富邦ガーディアンズ戦で初登板初ホールドをマークしたが、翌日に戦力外となった。
高野は3歳年上の妻・知圭子さん、4歳の息子と3人暮らし。今季は台湾に単身で渡り、当初は2軍で生活した。その間の月収は10万円ほどで、ほとんどが現地での生活費に消えた。西宮で生活していた知圭子さんは、貯金を切り崩し、徹底した節約生活を送った。家賃を合わせた月の生活費は約25万円。蓄えは底をつきかけた。知圭子さんは少しでも家計の足しにするため働こうとしたが、条件が合わず、なかなか決まらなかったとした。
そうして高野は1年で戦力外に。苦しい一年を支えたのは「NPBに絶対戻りたいって投げて活躍してっていうのを思い描いていたから一年間の原動力になったわけで。ブレずにここまでやってこれた」と高野。今年も合同トライアウト受験を決意。トライアウト前日には「早く投げたくして仕方ないし、わくわくしてるし、楽しみでしょうがないですね」と語っていた。
そして迎えた運命のトライアウト。家族も見守る中で打者3人に投げて最後の打者に安打を許したが、2人を右飛に打ち取った。視察した日本ハム新庄剛志監督は「台湾出身の高野君の、真っすぐはそんなスピードなかったんですけど、芯を外すカットボールが面白いかなと思った」とコメントし、翌日のスポーツ新聞にも取り上げられた。
「名前を挙げて下さって、コメントをくださっているというのは僕としても凄く嬉しいですよね。ちょっと楽しみですよね。ワクワクもしますし」と話し、トライアウト後、オファーを待った高野。トライアウトから5日後、ようやく電話が。内容は「2つ話が合って。ベースボールアカデミーの講師みたいな話が一つと、北海道に独立リーグができるんで、そこの指導者兼プレーヤーなのかな」。NPBの選手としてのオファーではなかったが、安定した収入が見込めるものだった。
高野は「そういう風に見てくれてるだけでもありがたいし」と話し、その後もNPBからのオファーを待ったが電話が鳴ることはなくオファーの期限を迎えた。
NPB復帰を目指し、このまま浪人を続けるのか、現役をあきらめ、野球に携わる安定した職業に就くか。「ちょっと時間が必要かな。今すぐには。NPBに戻るっていう道筋をスパッと断てられる状況かと言うと、ちょっと策を練ったり、考えたりする状況だと思う」と話し、知圭子さんに「お金のこととか、家族のこととか」と聞かれると「分からん」と一言。
NPBでやれると思うのかと聞かれると、「やれるっていう自信はあるよ」とも話した。知圭子さんは「気持ちの部分が一番大事なことだと思うので、選手としてやっていきたいという気持ちがまだ本人の中であるんだったら挑戦してもらいたいと思います。それに向けて家族も全力でサポートしていきたいと思います」としながらも、期限は決めることを提案。高野は「1年って言うのは期限やなって思うし」と語った。
高野は番組の放送後、自身のツイッターを更新。「オファーを断った訳ではなく野球以外の仕事も含め家族で相談中です」と説明した。