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安倍元首相が自白 北方領土「2島返還軸」への転換認める 岸田政権に対ロ外交戦略の継承要求も
インタビューは17日に東京都内で行った。安倍氏とロシアのプーチン大統領はシンガポールでの首脳会談で、1956年の同宣言を基礎に交渉を加速することで合意した。安倍氏が四島返還からの転換を認め、意図などを具体的に語ったのは初めて。ただ、その後の交渉は行き詰まり、安倍氏の判断が問われそうだ。
安倍氏は同宣言について「両国の国会で批准した、いわば協定に近い存在」だと強調。プーチン氏も宣言の法的有効性を認めており「ここにしっかりと立ち返る中で、問題を解決していく判断をした」と語った。
同宣言に国後、択捉2島への言及はなくロシア側は領土交渉の対象としない根拠としているが、安倍氏は「日本人がそこで経済活動をしている、住んでいる状況をつくることが足がかりになる」と指摘。この2島の返還は求めず、共同経済活動や自由往来を念頭に置いていたことをにじませた。
シンガポール会談で、同宣言を交渉の基礎に位置づけた理由について、自身の自民党総裁任期などを踏まえ、「時を失うデメリットの方が大きいと考えた」と説明。プーチン氏との信頼関係に加え、当時のトランプ米大統領も日ロ平和条約交渉の進展に理解を示していたとして「大きなチャンスだと考えた」と語った。
また、プーチン氏とはシンガポール会談で「相当詰めて話をしていた」と強調。一定の合意があったことを示唆したが、具体的な内容は明らかにしなかった。その後の交渉が停滞した理由については、ロシア国内での反対論の高まりが大きく影響したと指摘。19年1月にプーチン氏と再会談した際には「相当姿勢が後退していた」と明かした。
岸田首相に対しては、シンガポール会談と直後の18年12月のアルゼンチン・ブエノスアイレスでのプーチン氏とのやりとりを「確認してほしいと伝えた」と述べ、路線継承を求めたことを明らかにした。