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【中央日報】よりによって李大統領の訪中直前に台湾包囲…「中国、韓国にもレッドラインを引いた」
中国軍東部戦区の報道官は29日、ソーシャルメディアを通じて、この日から東部戦区の陸・海・空・ロケット軍などが台湾海峡および台湾北部・南西部・南東部・東部で「正義の使命-2025」訓練を実施すると発表した。また、巡察および総合的統制権の奪取、主要インフラの封鎖、外周封鎖などを目的と説明したが、実質的には台湾包囲および在日米軍など後方支援戦力の遮断訓練だ。30日には台湾を囲む5つの海域・空域で実弾射撃も行われる。
米国は中国の台湾侵攻を2026〜2027年に想定し、さまざまな対応戦略を立てている。これを知らないはずのない中国が、新年を目前に控え、公然と軍事的威嚇のレベルを引き上げた格好だ。
韓国にとってこうした状況が「対岸の火事」ではない理由は、李大統領の国賓訪中と重なっているためだ。李大統領は10月31日〜11月1日に慶州(キョンジュ)で開かれたアジア太平洋経済協力(AEPC)首脳会議への出席に際して訪韓した日本の高市早苗首相、中国の習近平国家主席とそれぞれ初めての首脳会談を行った。この席で両首脳はいずれも李大統領の訪問を招請した。
当初、今月初めから、李大統領が来年1月中旬に高市首相の故郷・奈良を訪問する計画だという日本メディアの報道が流れるなど、シャトル外交の一環として訪日が先に具体化する雰囲気だった。日本が議長国として、韓日中3国首脳会議を1月に日本で開催する予定だったが、高市首相の「台湾有事」発言(11月7日)により、中国が事実上、首脳会議に難色を示し、せめて韓日首脳会談だけでも単独で進めようというのが日本の意図だった。
しかし結果的に、李大統領は日本に先立ち、1月初めにまず中国を国賓として訪問することに決めた。長く冷え込んでいた韓中関係を改善し、北朝鮮の核問題で中国の建設的役割を引き出すことが先決だと判断したものとみられる。
ただし、順序そのものが外交的に持つ意味が小さくないことを踏まえると、中国と日本が台湾問題で正面衝突する局面で、韓国の大統領が日本より先に中国を訪れることは外交的負担へとつながりかねない。特に、訪中直前に中国が大規模な台湾包囲訓練に踏み切ることで、状況はさらに敏感さを帯びている。
実際のところ、中国の今回の訓練は、李大統領の訪中というより、自分たちのスケジュールに沿って準備を強化し、日本を圧迫する意味合いのほうが大きい。しかし同時に、これは間もなく行われる韓中首脳会談で、韓国の関連立場に注目が集まるという意味にもなり得る。いま中国が日本に対して全方位から圧力をかけているのも、韓国をはじめ地域内の国家も「いつでも標的になる可能性がある」という警告が根底に流れているためだ。あわせて、韓国は日本とは異なり台湾問題で一線を越えていないため、国賓として迎えるというメッセージを発信する意味もあるように見える。
(略)
台湾海峡に関連して、韓国政府は2021年5月、文在寅(ムン・ジェイン)大統領とジョー・バイデン米大統領との首脳会談結果として、台湾海峡の平和と安定維持の重要性を強調する内容を盛り込んで以来、同じ立場を維持している。
韓国外大国際地域大学院のカン・ジュンヨン教授は「中国の今回の訓練は、台湾問題に関して韓国に対しても“レッドライン”を引いたもの」とし、「李在明政府がすでに『韓米同盟を中心に据えた実用外交』を標榜している以上、我々としては従来の立場を維持しつつ、中国との関係改善、サプライチェーン協力、そして韓半島(朝鮮半島)の最大懸案である北朝鮮の核問題での協力など、最も緊急かつ必要な部分を提起することができるだろう」と語った。
https://news.yahoo.co.jp/articles/94a6edadbb8f9ac768964927a4f741622f9c1a0d







