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「高市だけは許さん!」追い詰められた習氏が日本叩きに走る本当の理由…ソ連化する実体経済はボロボロ、共産党内部からも突き上げ
■「世界の工場」と呼ばれた大国の成れの果て
海を隔てた隣国から届く映像は、現代の「廃墟」がいかに静かで、そして恐ろしいかを雄弁に物語っている。
かつて建設クレーンが林立し、トラックの轟音が鳴り響いていた中国の地方都市。そこには今、コンクリートが剥き出しになった巨大な未完成マンション群が、墓標のように延々と連なっている。
「鬼城(ゴーストタウン)」と呼ばれるこれらの建築群には、ガラスの入っていない窓枠が虚ろな眼窩のように口を開け、誰かが住むはずだった「未来」が雨風に晒され続けている。
2025年、中国経済の実態は、まさにこの映像そのものだ。中国政府が公式に発表する「5%前後の成長」という数字が、いかに白々しいものであるか、伝わってくる現地の惨状を見れば明らかである。
不動産投資は前年比で二桁のマイナスを記録し、鉄鋼、家電、内装といった関連産業を含めれば、その崩壊の余波は数億人の雇用を直撃している。インターネット上では、「9億人が月収4万円以下の貧困層に転落した」という悲鳴に近い投稿すら散見される。
かつて世界を席巻した「爆買い」の勢いは見る影もなく消え失せ、職を失った若者たちは絶望し、路上で「寝そべり(タンピン)」を決め込んでいる。これが、かつて「世界の工場」と呼ばれ、飛ぶ鳥を落とす勢いだった大国の成れの果てだ。
■巨龍はなぜこれほどまでに無惨な姿に
なぜ、巨龍はこれほどまでに無惨な姿を晒すことになったのか。その原因は、市場原理という普遍的なルールを無視し、イデオロギーという名の妄想に固執した一人の独裁者の失政にある。
習近平国家主席が進めてきた経済政策は、合理性を欠いた愚行の連続であったと言わざるを得ない。この惨状を招いた根本的な構造について、専門家は「経済のソ連化」という極めて鋭い言葉を用いて分析している。
外交専門誌『外交』Vol.94に掲載された、九州大学教授・益尾知佐子氏による論考「『玉虫色のコミュニケ』に浮かぶ中国政治の対立軸」から、その本質を突いた一節を引用しよう。
■「安全保障」や「対米闘争」という亡霊に怯え実体経済を無視
「経済産業研究所コンサルティングフェローの呉軍華氏は近時、中国経済の『ソ連化』のリスクに警鐘を鳴らしてきた。『ソ連化』とは、社会主義国が戦略産業に過大投資し、全体的な経済均衡を歪めることを指す。
実際に習は、国の安全保障を懸念するあまり、長期的な対米闘争に有用と見られる戦略産業に国家資源を注入し、民間企業より国有企業を優先してきた」
この指摘が示す通り、習近平は「安全保障」や「対米闘争」という亡霊に怯え、国民が日々の糧を得るための「実体経済」を軽視し続けた。
半導体、宇宙開発、AIといった、国家の威信を飾り、戦争に転用可能な「見栄えの良い産業」に巨額の国家予算を注ぎ込む一方で、多くの国民が働くサービス業や伝統的な製造業、そして民間の活力を冷遇したのである。
あたかも、エンジンが故障して煙を上げているにもかかわらず、ボディの塗装や飾りのウイングばかりに執心する愚かなドライバーのようだ。
資源配分を歪められた経済は、当然の帰結として壊死していく。国民の財布は干上がり、消費は冷え込み、デフレの螺旋階段を転げ落ちることになったのは必然である。
以下全文はソース先で
■習近平の掲げた「強国への夢」は脆くも敗北
■求心力を維持する「燃料」となる「外敵」
■自らのメンツと保身が優先される
■ボロボロの巨龍に付き合う義理などない
文/小倉健一 写真/shutterstock
12/9(火) 7:00 集英社オンライン
https://news.yahoo.co.jp/articles/8f1b6d70c07a589ea49527e8a955e6bf74e6eb9b
https://shueisha.online/articles/-/255847






