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【アホパヨク】「中国の対応はロジカル 兵糧攻めに抵抗する国力は日本にはもうない」 内田樹
高市早苗首相の「存立危機事態」についての国会答弁について、中国から厳しい批判が続いている。在日総領事の挑発的なネット投稿から始まり、訪日観光客への旅行自粛の呼びかけ、中国人留学生への訪日自粛呼びかけ、水産物の輸入停止、日本人アーティストの中国公演の中止……と段階的にカードを切ってきている。この後、高市首相が発言を撤回するまで、これは続くだろう。
一部メディアは「中国に負けるな」と首相を応援している。「先に音を上げた方が負けだ」というような「チキンレース」として今回の事態をとらえているらしい。
私は首相には発言を撤回し、中国に謝罪し、責任をとって首相を辞任してほしいと思っている。ネットにも繰り返しそう投稿した。そこで強調したのは、「中国の対応はロジカルだ」ということである。言葉による批判から始まって、経済的制裁のレベルを段階的に上げてきている。ロジカルなカードの切り方だ。「反日感情」に駆動されているなら、こんな手間暇はかけない。「首相が一日早く発言を撤回すれば、日本がこうむる被害はそれだけ少ない」というルールで押し通している。
今のところ被害が及びそうなのは観光と大学と水産業とエンターテインメントで、どれも「弱い業界」だから政府は意に介さないだろう。だが、さらに制裁のレベルが上がってきた場合はどうするつもりか。日本の産業は重要鉱物をほとんど中国に依存している。EVモーター、風力発電機、ハイブリッド車、半導体、太陽光パネル、LEDなどの原材料である。供給が止まれば、自動車産業や電子産業も止まる。中国に依存する企業の株価が軒並み急落しているのも当然である。
「中国の脅しに屈するな」と威勢の良いことを言う人たちはこの「兵糧攻め」に効果的に抵抗するだけの国力が日本にはもうないことを見ていない。
今の日本は米国に軍事的に従属し、中国に経済的に依存している「弱国」なのである。米国から支援の約束を得られず、中国に物資を断たれた今こそが「存立危機事態」である。首相自らが存立危機を招いたことの責任は重い。
※AERA 2025年12月8日号
12/3(水) 7:30 AERA DIGITAL
https://news.yahoo.co.jp/articles/6b8e978a046c327a6ec7fa2fe93ee5eac4c258eb





