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歴代級のウォン低評価に…韓国のドル換算GDP、昨年よりむしろ減る
国際通貨基金(IMF)の年次協議報告書によると、韓国の今年のドル基準名目GDPは1兆8586億ドルと予想される。昨年の1兆8754億ドルより0.9%減った。2023年の1兆8448億ドルと比較しても、2年間で0.7%の増加で成長は足踏み状態だ。
これはウォンの価値が下落したためだ。今年の年平均ウォン相場は11月末基準で1ドル=1417.68ウォン。通貨危機直後の1998年の1394.97ウォン以降最も低い水準だ。昨年の年平均1364.38ウォンよりも4.0%低い。
こうしたウォン安傾向が続くならば「GDP2兆ドル」だけでなく再来年に予想される1人当たりGDP4万ドルの達成も1~2年遅れるかもしれないとの懸念が出ている。第2次トランプ政権発足後に続いているドル高と、韓国企業と個人の海外投資拡大により1500ウォン台のウォン相場がニューノーマルになるという予想からだ。ウォン基準の名目GDPが毎年成長しても低いウォンの価値がこれを圧倒してしまうということだ。
IMFは「為替相場の変動性自体が重大な経済的危険を招くことはないだろう」としながらも、「世界の金融市場の不確実性が高い時期には一時的に外為市場の流動性が薄くなり為替相場の動きが激しくなることもある」と指摘した。
韓国政府が最近外為市場安定対策を出したが、ウォン相場は再び1470ウォン台に落ち込んだ。
◇原油価格・原材料価格すべて上がる、家計も企業も「為替相場で苦痛」
ウォン下落傾向が長期化する場合、物価上昇圧力が大きくなり家計負担が増え企業の競争力まで悪化するとの見通しが出ている。
最初に打撃を受ける品目は原油だ。国際原油価格は緩やかな流れを見せているがウォン安で韓国のガソリン価格は5週連続で上昇した。韓国石油公社によると、11月第4週の全国のガソリンスタンドのガソリン平均販売価格は前週より1リットル当たり15.3ウォン上がった1745.0ウォンとなった。ソウルもやはり13.4ウォン上昇の1812.4ウォンを記録し平均値が1800ウォン台に上がった。
一定の時差を置いて物価全般を刺激する懸念が大きくなっている。西江(ソガン)大学経済学部のホ・ジュンヨン教授は「ウォン相場下落分が通常3~6カ月後に物価に反映されるだけに、来年初めから輸入食料品価格などが上がり物価に影響を与える可能性が大きい」と話す。消費者物価上昇率は8月の1.7%から9月が2.1%、10月が2.4%に上がって1年3カ月ぶりの高水準を記録している。
過去のように「ウォン安が輸出企業に有利」という公式もいまは通用しない。「韓国は原材料と中間財を輸入して加工し輸出する構造」(ホ・ジュンヨン教授)のためだ。むしろ原材料価格が上がり価格競争力と収益性が同時に弱くなりかねないとの懸念が出ている。特に中小企業は為替リスク管理に弱い。梨花(イファ)女子大学経済学科の石秉勲(ソク・ビョンフン)教授は「交渉力が弱い中小企業は原価上昇分を納品単価に反映しにくく負担をそのまま抱え込むことになる可能性が大きい」と指摘する。
石教授は「政府は国民年金や個人投資家の海外投資を原因とするがこれが根本原因ではない。為替相場は米国と韓国の基礎体力差で決まるもので、ウォンとドルのバランス自体が移動している」と分析した。
中央日報日本語版 2025.12.01 07:14
https://japanese.joins.com/JArticle/341613







