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【衝撃】米・テキサス州中絶禁止法を施行 レイプや近親相姦の妊娠中絶禁止へ
米テキサス州で1日、妊娠6週目以降の中絶を禁止する州法が施行された。
ほとんどの女性が中絶を受けられなくなる。権利擁護団体などが連邦最高裁に差し止めを求めたが、最高裁は同日夜、請求を退けた。
この州法は、胎児の心臓音を検知できる時期だと中絶反対派が主張する、妊娠6週目以降の中絶を禁じるもので、
「ハートビート(心臓音)法」とも呼ばれる。妊娠6週目は、多くの女性が妊娠を自覚しない。
ジョー・バイデン大統領は1日、この「過激な」州法は「公然と」権利を侵害するもので、
女性の医療へのアクセスを「著しく侵害している」と批判。女性の憲法上の権利を守ると約束した。
最高裁は1日深夜に投票を行い、判事らは5対4で同州法の差し止め請求を退けた。
多数派の判事らは無署名の説明で、この決定は「テキサス州の法律の合憲性をめぐるいかなる結論にも基づいておらず」、
法廷闘争を引き続き進めることは可能だとした。
ドナルド・トランプ前大統領が指名した判事3人は全員、同法の差し止めに反対した。最高裁は現在、保守派が多数を占めている。
一方、リベラル派のソニア・ソトマイヤー判事は反対意見として、最高裁の決定は「衝撃的」なものだと述べた。
「女性が憲法上の権利を行使するのを禁じるとともに、司法の監視から逃れることをたくらんだ、
甚だしく憲法違反の法律を差し止めるよう求められたのに、
判事の多数は知らんぷりすることを選んだ」
(中略)
■他の中絶制限とどのように違うのか
アメリカの州でこれまでに施行された中絶制限法は、刑罰や何らかの規制上の罰に依存していた。
一方、グレッグ・アボット州知事が5月に署名したテキサス州の法律は「私的訴権」を認めており、被害を受けていない人でも、同法に基づいた訴追が可能になる。
これにより、アメリカ人であればどこに住んでいても、あらゆる中絶関係者に対して民事訴訟を起こし、最大1万ドル(約110万円)の損害賠償請求を行うことができる。
中絶を行った医師だけでなく、病院の従業員や当事者の家族、あるいは中絶を支持する聖職者でさえ、訴えられる可能性がある。
同法では、医療上の緊急事態に限り中絶を認めているが、医師の書面での証明が必要となる。強*や近親相*による妊娠については中絶を認めていない。