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中国「私たちが怒っているのは高市政権であり、日本国民や法人はこれまで通り歓迎する」
恐らく、今すぐにビザ免除停止になる可能性は低いだろう。新華社記者が出したコラム『中国对日反制,三个新特点』から紐解きたい。
この記事は現在の中国が行っている対抗措置を、2012年の尖閣と比較して論じている。表題の通り3つのポイントに分けて論じているが、最後の項目「国民が自信と余裕を持っている」が重要だ。
この項目では「国力の向上を背景に、中国国民は激昂するだけでなく、「望むところだ(一言為定)」という強者の余裕を見せている」として、2012年と違い、「大国としての余裕」があると指摘している。さらに記事中には以下の文言がある。
“我们愤怒的是日本政客,我们照样欢迎日本游客、日本企业。我总觉得,这就是一个大国心态的养成,轻松调侃背后,是发自内心的从容。”
「私たちが怒っているのは日本の政治家に対してであり、日本の観光客や日本企業については変わらず(これまで通り)歓迎する。これこそが大国としてのマインドセットの形成であり、軽やかな冗談の裏にあるのは、心からの余裕だと私は感じている。」
このことからも分かるように、筆者は、今回の対立の原因はあくまで「高市早苗氏をはじめとする一部の政治家」にあるとしており、怒りの矛先はその政治家にのみ向けるべきであり、一般の日本人観光客やビジネスを行う日本企業に対しては、排斥せず、これまで通り歓迎すべきだとしている。
またこの前者の主張については外交部会見でも高市を名指しで論じていることからも、国家としてその傾向が伺えるだろう。
何より、いくら記者個人の署名記事とはいえ、これは国営である新華社通信の記事というところに注目したい。政府の意図を汲んだ記事がわざわざ観光往来に言及するということは、現時点での意図としては、今回の騒動が広く一般に大きなヘイトとして広がることを避ける意味合い・沈静化の意図があると同時に、記事にもあるように、大国としての余裕を内外に示すことを国民に呼びかけているのだろう。







