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下着の透けに配慮、学校で紺の体操服が増加 生徒は「汗も目立ちにくくて良い感じ」 一方で「カラーは集団になると威圧感」の声も
広島県内で、体操服の色を白から紺に変える学校が徐々に増えている。
下着が透けるのを気にする女子生徒への配慮のため。生徒が安心して体育の授業に臨めるとして、スポーツ教育の専門家も勧めている。
■真夏でもジャージー脱ぐのを嫌がりサウナスーツ状態に
広島市安佐南区の城山北中は、体育教諭からの要望で本年度から紺の体操服を取り入れた。
理由は「透け」防止。日焼けや肌の露出も嫌がる生徒の傾向を踏まえ、長袖にした。
カイアーファ真紀教頭によると、ブラジャーのラインが透けるのが嫌で、真夏でも白の半袖体操服の上に長袖ジャージーを着て体育の授業を受ける女子生徒がいた。
「『熱中症になるので脱ぎなさい』と教諭が声をかけても、ジャージーを脱ぐのを嫌がり、サウナスーツのようになっていた」と振り返る。
安佐北区の可部中は昨年度に紺の半袖を導入した。
やはり白だと下着が透けるというのが理由。2年の小田千尋さん(13)は「紺は透けないし、汗も目立ちにくくて良い感じ」と喜ぶ。
江田島市の大柿高も昨年度に紺の半袖にモデルチェンジ。複数案から生徒に投票してもらったところ、透けを気にする女子から人気が高かったという。中区の舟入高も3年前に青の半袖と長袖に切り替えている。
菅公学生服(岡山市北区)によると、小中高への体操服用のTシャツ販売枚数のうち、紺などのカラーの割合は2022年に9・1%で、19年から3・2ポイントアップしていた。
スポーツ企画推進課は「男子も今は乳首の透けを気にする。紺色なら隠しやすい」と説明する。
■学校側に「カラーは集団になると威圧感」との声も
一方で、白が依然として9割。「白の方が学生らしく爽やかに感じられる」「カラーは集団になったときに威圧感が出る」などの声が学校側にあるという。特殊な構造の糸を使って透けにくい白い体操服も売り出しており、全国の中高で売れている。
広島大大学院人間社会科学研究科の斉藤一彦教授(スポーツ教育学)は「生涯を通じてスポーツに親しむ人間に子どもたちを育てるのが体育の目的。生徒が安心できる体操服を着て堂々と授業に参加できれば、スポーツ愛が高まる」と説く。
デザインや素材は年々改良されているとし、生徒の意見も踏まえて決めるよう助言する。
https://news.yahoo.co.jp/articles/2b993f17b10db90404a3cf09399f2f2e3998e61b







