阪神新守護神候補は「日本で成功する要素備える」ＭＬＢ記者が見たカイル・ケラー

　阪神の嶌村聡球団本部長（５４）は１０日、新外国人として獲得交渉を進めていたカイル・ケラー投手（２８）＝前パイレーツ＝と合意に達したことを明かした。最速１５７キロの直球と、カーブで打者を圧倒する奪三振マシン。２年連続最多セーブ賞に輝き、メジャーへ移籍したスアレスに代わる守護神として期待される。

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　今季最終戦となった１０月３日のレッズ戦。八回から登板したケラーは２三振を含む三者凡退に仕留めた。先頭の右打者を１ボールから３球連続カーブで追い込み、１５０キロの高め釣り球で空振り三振。続く、今季新人王のインディアは１５０キロ直球で押し込んで中飛に仕留め、最後の左打者には３球連続で低めに直球を投げて見逃し三振に斬っている。

　１９年は４つの球種を投げていたが、今季はフォーシームとカーブのみで勝負。メジャーで自己最多３２試合の登板で、自己ベストの奪三振率と与四球率をマークした。

　フォームには無駄がない。１９３センチの長身から投げ込む角度のある直球は、球速以上の速さと重さを感じさせる。球種を絞り込んだ結果、配球の４４％を占めたカーブの特徴は落差よりもスライダーのような鋭さ。平均回転数は前年よりアップしており、進化の跡が見える。日本で成功する要素を備えた投手であることは間違いない。（デイリースポーツ大リーグ担当・小林信行）