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【中東】エジプト、経済危機下のレバノンにガスを供給へ 電力危機の緩和を支援
2021年12月9日、首都カイロの大統領府でエジプトのアブドゥルファッターハ・エルシーシ大統領(右)と会談するレバノンのナジーブ・ミカティ首相(左)。(AFP通信)
電力危機を緩和するため、エジプトがレバノンにガスを供給
・レバノンの首相、カイロで大統領および首相と会談
・エルシーシ大統領、「レバノン国家の強さ」を維持したいと強調
モハメド・シャマア
カイロ:エジプトのアブドゥルファッターハ・エルシーシ大統領は8日、カイロでレバノンのナジーブ・ミカティ首相と会談した。会談には、エジプトのモスタファ・マドゥーリー首相、サーメハ・シュクリ外務大臣、アッバス・カメル総合情報庁長官が出席した。
会談後に発言したエルシーシ大統領は、エジプトがレバノンの安全と安定を重視しており、「レバノン国家の強さと能力」の維持を支援したいと自身が考えていることを強調した。
ミカティ首相は、政治的にも経済的にも複数の危機に直面しているレバノンに対する国際的な支援を集めようとするエジプトの取り組みを称賛した。
ミカティ首相は、エジプトがアラブ世界の安定維持に重要な役割を果たしていることを指摘し、同国の経済的な成功と発展の観点から、他の国々が後に続くべきモデルとして同国を見なしていると述べた。
会談で両首脳は、両国間の既存の関係を強化する方法に加えて、レバノンの最新の動向について検討を行った。
ミカティ首相はマドゥーリー首相と別途会談を行い、これにはレバノンのアリ・アル・ハラビ駐カイロ大使、ブトロス・アサケル外交顧問、エジプトのアラブ担当外務次官のアラア・ムサ氏が同席した。
ミカティ首相のエジプト訪問は、レバノンにとって非常に重要な時に実現したと、マドゥーリー首相は述べ、エルシーシ大統領はレバノンの電力不足を解決するのを支援するため、同国へのガスの緊急供給を命じたと述べた。
ミカティ首相は、提案された協力・支援分野について検討した。これには、ガスや電気、貿易(特にレバノンの農産物関連)での協力の強化や、食料や粉ミルク、医薬品などの援助の提供などが含まれる。
マドゥーリー首相は、エルシーシ大統領が政府に対して、必要な援助は可及的速やかに提供すべきであることを明確に指示したことを確認した。
同首相は、電力共有に関するレバノンの提案はできるだけ早く評価され、両国の合同高等委員会の次回会合の日程はすぐに設定されるだろうと付け加えた。ミカティ首相は、次回の会合はベイルートで開催すべきだと提案している。
イスラエルのヤイール・ラピード外相も今週カイロを訪問し、エルシーシ大統領と会談した。大統領はラピード外相に対し、エジプトは二国家解決に基づき、中東の包括的で公正な平和実現のための取り組みを継続することを続けることを保証した。
エジプトの同大統領は、ガザ地区でのエジプトの活動や、パレスチナとイスラエルの緊張緩和のための長年の取り組みも強調した。