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【米韓関税交渉】米財務長官「10日以内に結論」→韓国副首相「おそらく韓国側の提案を受け入れるのではないかと思う」
スコット・ベッセント米財務長官は15日(現地時間)、記者懇談会で韓国人記者の質問に対し、「意見の相違は解消できると確信している」とし「今後10日以内に何らかの(交渉の成果物を)予想している」と明らかにした。具潤哲(ク・ユンチョル)副首相兼企画財政部長官も同日、「おそらく韓国側の提案を受け入れるのではないかと思う」と説明した。
韓国交渉団が16日午後に米国ホワイトハウスの行政管理予算局(OMB)を直接訪問することにしたのも、妥結が間近に迫っている信号と解釈されている。OMBは米連邦政府の予算を管理し、政府の行政政策の執行を監督する機関で、大統領の国政運営と政策実現を財政的に支援する中核組織だ。ドナルド・トランプ米大統領は15日にも「韓国が対米投資金を前払い(up front)で支払うことにした」と述べて韓国を圧迫した。韓国政府はこれまで、無制限の通貨スワップを韓米関税交渉妥結の「必要条件」と強調してきた。
これに対して、魏聖洛(ウィ・ソンラク)大統領室安保室長は「通貨スワップは我々から提起したことがある。米国側のほうで持っていたが、進展がなかった」と述べた。ただし大統領室は「魏室長の発言は協議中という趣旨」と説明した。
「限定的規模の通貨スワップ」+アルファ(α)で3500億ドルの対米投資ファンドを構成する案で、両国が意見の隔たりを狭めているとの見方が出ている。両国中央銀行が締結する従来の方式ではなく、韓国銀行と米国財務省が通貨スワップを締結する変則的な方式だ。韓国銀行がウォンを担保として預け、米国政府が保有しているドルをファンド資金の一部として活用する。この際、米財務省が金融安定のために保有する一種の「裏金」に相当する外国為替安定化基金(ESF)が利用される。米国は今月9日、アルゼンチンとこの方式で200億ドル規模の通貨スワップを締結した。
ただし、ESFの純残高は450億ドル(8月基準)にすぎない。このため、対米投資額を構成する複数のカードの一つとして見る向きが強い。「キャピタルコール(capital call)」方式、分割執行などに米国がある程度肯定的な反応を示したのではないかという解釈も出ている。キャピタルコールとは、出資金を一度に払い込むのではなく、約定限度内で必要な時に出資要求に応じる方式だ。ただし交渉チームの核心関係者は「まだ確実に決まったことはない」と述べた。
https://news.yahoo.co.jp/articles/09512a1aa5cadba181ecb741cbd65efe09cf334f