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今年のLNGタンカー受注実績、韓国総取りで中国受注ゼロ
韓国造船海洋プラント協会によると、会社別では三星重工業が7隻、HD現代三湖が5隻、ハンファオーシャンが2隻をそれぞれ受注した。残り2隻は米国が企業の受注分だが、それもハンファが昨年買収したフィリ造船所が建造する。この2隻はハンファオーシャンの子会社ハンファシッピングが発注した。
これまでLNGタンカーの受注は韓国と中国が二分してきた。2022年のLNGタンカー新造船シェアは韓国が67.5%(115隻)、中国が32.5%(56隻)だった。24年は差が縮まり、韓国57.2%(48隻)、中国42.8%(28隻)だった。中国の滬東中華造船は昨年、世界最多となるLNGタンカー24隻を受注した。
業界は米通商代表部(USTR)による入港規制に加え、カタールによる発注が減少したことで、中国のLNGタンカー受注がなくなったとみている。USTRは10月14日から中国の海運会社、中国製の船舶を運営する海運会社が米国の港湾に入港する際、純トン数当たり50ドルの入港手数料を課すことを決めた。
この手数料は2028年には同140ドルまで徐々に引き上げられる予定だ。中国以外の企業が運営する船舶でも、中国で建造した船舶には同18ドルの手数料を適用し、それも段階的に33ドルまで引き上げられる。
中国は巨大な船舶を必要とするカタールの船会社の要求に合わせて、27万立方メートルQCマックス(カタール・チャイナマックス)級の超大型船舶を大量に受注していた。しかし、カタールによる第2次発注は昨年で終了した。
業界は中国製船舶が頻繁に故障を起こしていることも影響を及ぼしたとみている。滬東中華造船が建造したLNGタンカー「CESI青島」は2023年、オーストラリアのLNGターミナルから発電機故障で出港できず、船積みが遅れた。2018年には運航中だった中国製船舶の推進系統に異常が見つかり、パプアニューギニア付近でけん引された。
産業研究院のイ・ウンチャン研究委員は「(新造船)市場が落ち着いている状況で中国がシェアを高めるためには、韓国製船舶と品質的に差がないという評価を受けなければならない。それには中国が建造した船舶が数年間安定的な運航を継続しなければならないため、韓国造船業界は差を広げる時間がまだある」と指摘した。
ヤン・ボムス記者
朝鮮日報 2025/10/09 07:00
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2025/10/04/2025100480013.html