【朝鮮日報コラム】K-POPの統計はなぜブラックボックスなのか

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【朝鮮日報コラム】K-POPの統計はなぜブラックボックスなのか

1: 昆虫図鑑 ★ 2025/10/06(月) 09:18:12.63 ID:/XY0F8Bb
 動画配信大手「ネットフリックス」のアニメーション映画『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』(以下、「KPOPガールズ!」)を巡り、韓国で熱い論争が巻き起こった。「K-POPが芸を生んでいるのに、金は海外がさらっていく」という批判と「『KPOPガールズ!』が韓国文化を広めたのだから、結局はウィンウィン(win-win)」という前向きな見方だ。ただし「『KPOPガールズ!』の成功に関しては、国自体のステータスに与える影響と、韓国のエンタメ産業に与える影響は分けて考えるべき」とK-POP業界は指摘する。ポジティブな成果だという見方もできるが、やっかいな競争相手が現れたという意味だ。

 今は、この成功に歓喜するのではなく、内部での検証により力を入れるべき時期だと考える。「KPOPガールズ!」の旋風の一方で、冷え込む一方の韓国国内の動画配信サービスに目を向けてほしい。ネットフリックスのような世界的な興行ネットワークがなければ、韓国で第2の「KPOPガールズ!」を生むのは不可能だ。「今や世界的なK-POP興行の鍵を握るのはネットフリックス」(米紙ワシントン・ポスト)という分析が骨身に染みる。K-POPブームに乗って海外ファンたちが韓国に押し寄せているのに、それを受け入れるだけの公演・観光インフラが韓国国内に不足していることも長年の課題だ。ある大手芸能事務所の役員は「『KPOPガールズ!』の大ヒットで韓国を訪れる人が増えたが、実際には人気のK-POP公演はほとんど海外で開催され、観客もそちらの方に集まる」と吐露した。

 特に危機感を増幅させる原因となっているのが「K-POPの統計不足」だ。「韓国人が作っていないK-POPの成功」が論議を呼んだのは、このような興行がどれほど韓国に効果をもたらしているのか、トリクルダウン効果を推量するための根拠がないからだ。我々は自国でのK-POP人気を客観的に精査する正確な統計すら持ち合わせていないのだ。

 例えば、K-POP担当の記者たちは、毎年1月に韓国関税庁のCD輸出入統計を入手する。K-POPに関して最も長期間にわたって蓄積された、事実上唯一となる国家の年間データだからだ。韓国コンテンツ振興院や文化体育観光部(省に相当)のK-POP産業調査も、この統計を基本指標としてきた。しかし、この数字にはジャンルの分類や海外ファンクラブによる代理購入、海外CDに分類されたK-POPなどが反映されていないため、K-POP市場の変化や成長を正確に示しているとはいえない。かといって韓国国内の4大芸能事務所(HYBE、SM、JYP、YG)の公式資料だけでは業界全体の動向を完全に把握することはできない。

 統計が貧弱だと、政策には力が入らない。K-POPの公演会場の新設についてもこれまで何度か議論はあったが、需要予測を裏付ける数字が不足し、ことごとく立ち消えになった。K-POP産業は、認知度と影響力に比べ、政策に必要な統計が過少集計されているのだ。観光関連の政策機関や各自治体がK-POPによって得られた成果をアピールする資料は多いが、実際の興行効果を体系的に分析した研究資料はほとんどない。ソウル市も最近「『KPOPガールズ!』が世界的に人気を博し、映画に出てきたソウルの名所の観光客数は史上最高を記録した」と発表したものの「明確に区分する(映画の影響による観光客数を正確に把握する)のは困難」と補足した。世界的なK-POP人気が韓国にどれほど効果をもたらしているのか、明確な根拠に基づく研究があまりにも少なすぎるのだ。

 2018年にBTSが初めて米国の音楽チャート「ビルボード200」のトップに立って以来、K-POPは韓国において国家代表クラスの主力商品と呼ばれるようになった。しかしK-POPの統計は、誰も詳細を知らない「ブラックボックス」だ。大規模なK-POP興行がもたらす価値が無限大だということは分かっているが、関連産業と政策につなげていくためには、信頼できる数字と長期的なアプローチが不可欠だ。K-POPが他人にばかり利益を与えるお人よしの「クマ」になるのか、賢く立ち回って共に成長する「キツネ」になるのかは、韓国政府の意志と努力に懸かっている。

ユン・スジョン記者

https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2025/09/27/2025092780019.html


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