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【チャン・ボゴ-Ⅲ】 韓国「潜水艦の輸出を諦めない」KSS-IIIのBatch-II「蔣英実」と命名。
2025年09月19日、韓国海軍は「チャン・ボゴ-Ⅲ※ バッチⅡ」の初号鑑の艦名を、李氏朝鮮時代の科学者である「蔣英実(チャン・ヨンシル)」と決定――と公表しました。
※(通称 KSS-III/張保皐-III)
↑KSS-IIIのバッチⅠに当たる3,000トンクラスの「島山安昌浩」。
この「チャン・ボゴ-Ⅲ バッチⅡ」は、「Batch-I=島山安昌浩(ドサン・アン・チャンホ)級:約3,000t)の改良型として、約3,600トン級へ大型化、戦闘・ソナー系の能力向上、垂直発射装置(VLS)の数を増強、リチウム電池システムの採用、国産装備の拡大(計70種規模)などが行われる――と公式に説明されています。
海軍軍当局は、この新命名・新造艦「蔣英実(チャン・ヨンシル)」を、試験評価と試運転を経て2027年に海軍へ引き渡す予定です。
↑韓国の防衛事業庁が公表したBatch-II艦のCGイメージ(これは3番艦)。
バッチIIの3番艦になると、SLBM垂直発射管(VLS)も6基から10へと増え、探知・目標処理性能が改善された戦闘体システム、ソナーシステムも搭載される――としています。
なぜだか自信満々な韓国なのですが、インドネシアが韓国産を買ってしまった例がありますが――評価はよくありません。
2021年03月17日、韓国の『大宇造船海洋』(DSME:当時)がインドネシアと共同で建造を終えた3隻目の潜水艦をインドネシア海軍に引き渡しました。
インドネシアでは
Nagapasa-403(ナガパサ-403)
Ardadedali-404(アルダデダリ-404)
Alugoro-405(アルゴロ-405)
と3隻の韓国産を購入したのですが、これで韓国産は打ち止めです。そもそも12隻も購入する予定だったのですが、少なくともインドネシア側は「もういらねえ」という態度です。
インドネシアのプラボウォ国防相(当時)は「莫大な予算をかけたのに、潜水艦の性能にはいささか失望している」と国会で述べています。
また、韓国で改良工事が行われたインドネシア海軍の潜水艦「Nanggala・402」(ナンガラ)が2021年04月21日、バリ島付近の海域で消息を絶ちました(沈没確認)。
インドネシア海軍潜水艦の沈没を公式発表。元インドネシア軍少将が韓国での改良に疑念
https://money1.jp/archives/50171
大して実績があるわけでもなく、そもそも韓国の潜水艦はドイツ由来のもの。KSS-I「張保皐級」は、ドイツ「209型」のライセンス建造から始まっています。KSS-II「孫元一級」は、ドイツ「214型」のライセンス建造です。
※ただし1980年代に国内造船所で建造されたドルゴレ級(Dolgorae-class)小型潜水艇があります(1985年以降就役)。
KSS-III計画名「張保皐-III」から「国産だー」といっているわけですが、大丈夫かどうか、品質がしっかりしているのかは、神のみぞ知る――です。
素晴らしい韓国産の潜水艦を購入する国はこれから現れるでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)
2025.09.19
https://money1.jp/archives/155345