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【科学】東大など、138光年先に海がある可能性のある地球サイズの岩石惑星を発見 “生命の痕跡探し”への重要な一歩へ
(中略)
TOI-2285bと主星の距離は、地球と太陽の距離の1/7ほどの2150万km弱しかないが、主星が低温度のため、惑星が主星から受ける日射量は、地球が太陽から受ける日射量の約1.5倍ほどと見積もられている。この日射量は、これまでに発見されたほかの多くの系外惑星と比べると穏やかだというが、それでももし惑星が地球と同じように薄い大気しか持たない岩石惑星であった場合、惑星表面の水がすぐに干上がってしまう程度には強力だという。
ただし、もし惑星の中心核の外側にH2Oの層が存在していて、かつその外側を水素を主体とする大気が覆っていた場合、H2O層の一部が液体として安定的に存在する可能性があるとする。そのような内部組成を仮定した上で、TOI-2285bの内部の温度と圧力のシミュレーションが実施されたところ、惑星の表層に液体の水(海)が存在する可能性があることが導き出されたという。
今後、実際にTOI-2285bの表層に液体の水が存在するかどうかを調べるためには、まずは惑星の質量を正確に測定し、すでに判明している惑星の半径や日射量の情報と合わせて惑星の内部組成を制約することが重要となるという。
(中略)
研究チームでは、TOI-2285bの発見は、将来の系外惑星における「生命の痕跡探し」への重要な一歩ともいえるとしており、今後、次世代の大型宇宙望遠鏡や地上の巨大望遠鏡により、温暖な系外惑星の大気中に水や酸素などの生命の痕跡となる分子を探る研究が可能になることが期待されるとしている。また、TESSは少なくとも2022年まで探索を継続する予定のため、今回と同様に地上望遠鏡との連携を行うことで、TOI-2285bと同等、もしくはより有望な惑星の数を今後さらに増やすことができると期待されるともしている。