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中国恒大、ドル建て債の利払い確認できず 猶予期限切れ
恒大は巨額の債務を抱えて経営難に陥った。確認できないのはグループ会社が発行した米ドル債の8249万ドル(約93億円)分の利払いだ。11月6日の当初期日までに支払わず、30日間の猶予期間に入っていた。ロイター通信によると、中国企業で過去最大のデフォルトになる可能性がある。
恒大はこれまで猶予期限切れの直前に利払いを実行するなどして、公募債のデフォルトをかろうじて回避してきた。私募債を保有するとみられる投資家から債務保証の履行を求められるなど、資金繰りが厳しさを増していた。
恒大は中国当局の関与のもとで外貨建て債務の再編をめざす。6日には地元の広東省政府系企業幹部が共同責任者に就くリスク管理委員会の設置を発表した。
ただ、同社は取引先への支払いを含めて2兆元(約36兆円)近い債務を抱える。ドル建て社債は海外投資家が多く保有しているとみられ、債務再編の協議がすんなりまとまるかどうかは不透明だ。中国国内の住宅購入者や取引先の保護を優先する当局の方針に海外投資家が反発する可能性もある。
2015年に中国の不動産会社として初めて米ドル債をデフォルトした佳兆業集団(カイサ・グループ)のケースでは債務再編案が2度否決され、最終的にまとまるまでに1年以上かかった。同社は直近も社債の償還期日を延ばす交渉がまとまらず、2度目のデフォルトに陥る可能性が出ている。
中国では中堅クラスの不動産会社のデフォルトが相次いでおり、不動産市場の落ち込みや金融市場の波乱要因につながりかねない。
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM062D50W1A201C2000000/