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【韓国】わずか1カ月で止まった日常回復…その裏には政府の4つの失策 韓国
(1)高齢層のワクチン免疫力低下の予測失敗
(2)一度に解除された新型コロナの防疫措置
(3)不十分だった重症患者用の病床の増床計画
(4)コロナ回復患者の一般病床への移送戦略の不明確さ
韓国政府は、6日から再び「社会的距離措置」(ソーシャル・ディスタンシング)の強度を引き上げる。6日から4週間、私的な集まりへの参加人数は首都圏で6人、非首都圏で8人に制限され、カフェや飲食店などでも「防疫パス」(ワクチン接種証明・陰性確認制)の適用が義務化される。先月1日に段階的日常回復(ウィズコロナ)を宣言してから、わずか5週間後のことだ。先月初めの段階では、政府は今月中旬には、先月よりも防疫措置を緩和する「日常回復第2段階」への移行を構想していたが、わずか5週間で状況は正反対に向かっている。
政府が日常回復計画を先送りし防疫を強化せざるを得なかった理由は何だったのだろうか。また、日常回復計画を継続するためには、どのような点を補わなければならないのだろうか。本紙は5日、6人の防疫・医療専門家に意見を聞いた。
「すでに10月には重症・死亡率が上昇していたが、予測が不十分だった」
まず、政府の予測に対し、新型コロナの感染者と重症患者の増加の規模が大きかった。中央防疫対策本部の5日0時基準の発表によると、韓国内の新規感染者は5128人で、1日に初めて5000人を超えてから、5日連続で5000人台前後が続いている。重症患者数も、1日から5日連続(723人→733人→736人→752人→744人)で700人台を超えた。嘉泉大学吉病院のオム・ジュンシク教授(感染内科)は、「(新型コロナの)流行予測を誤ったようだ」と述べ、「流行の状況がこのように本格的に増えるまでには時間的な余裕があると判断していたようだ」と分析した。
政府の予測失敗は、ワクチンを接種した高齢層の免疫力低下や、新型コロナ患者の重症化率の増加などの状況を考慮していなかったからだという評価が出ている。カトリック大学医学部のペク・スニョン名誉教授(微生物学教室)は、「(ウィズコロナを施行する前の)10月には、すでに新型コロナ患者の重症化率と死亡率が高まっていた。さらに、(ワクチン接種者の)免疫力が低下していた」と指摘した。翰林大学聖心病院のチョン・ギソク教授(呼吸器内科)も、「政府は重症患者を中心に(新型コロナの流行を)管理すると言っていたが、それならば準備と予測をしていなければならなかった」と述べ、「予測指標が悪化していたことも無視していた」と指摘した。
準備されていた水準に比べ、一度に防疫措置が解除された点も、日常回復第1段階の失敗の原因に挙げられた。段階的日常回復計画は全部で3段階あるが、先月1日に実施された第1段階に、防疫解除措置があまりにも集中していたということだ。嘉泉大学医学部のチョン・ジェフン教授(予防医学)は、「大規模集会の実施制限と私的な集まりでの人員制限以外の制限措置は、実は第1段階でほとんどすべて解除された」とし、「医療システムや防疫システムにおいて(新型コロナの感染拡大と重症患者の増加規模が)増加するスピードが極めて速く、医療能力の増加速度が相対的に追いつくことができなかった」と述べた。