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【テレ朝】玉川徹氏「ポピュリズム政党が『はけ口』提供」 自国ファーストめぐる特集で持論展開「私は反対だ」
番組は、恒例のパネルコーナーでこの問題を特集。その中で19日に官邸を表敬訪問した米マイクロソフト創業者、ビル・ゲイツ氏との会談で、石破茂首相が途上国の子どもらにワクチン供給を担う国際組織に、最大5億5000万ドル(約810億円)を支援する考えを伝えたことを受け、ネット上で「そこより先に日本人の為にカネを使え!だよ」などの批判が相次いだことに触れた。
解説で出演した国際政治学者の三牧聖子氏は、「1つの大きな背景に、アメリカでは、対外政策に使うお金について、1ドルから国益にかなっているかどうかチェックする方針のもと、対外援助が大幅に削減されている。途上国のワクチン支援などの資金はこれからどんどん減っていく。ビル・ゲイツさんはご自身の資産を30兆円を途上国のワクチン支援にあてるとすでに発表しているが、個人の資産には限りがあり、アメリカに代わって支援してくれる先進国に対して働きかけているのだと思います」と述べた。
一方、番組MCのフリーアナウンサー羽鳥慎一は、ANNが7月の参院選中に行った世論調査で、外国人受け入れについて「規制を強化すべき」が47%で、「今のままでいい」の33%を上回ったと紹介。その上で、「参院選で、外国人労働者の受け入れの制限、外国人の生活保護の支給停止、外国人の参政権を認めないなどを掲げて『日本人ファースト』を訴えた参政党が14議席を獲得しました」として、参政党を支持した有権者の声を伝えた。調査では、同党への年代別支持が10代から30代でひときわ高かったとして「若い世代に参政党は高い支持だということがここから分かります」と説明。三牧氏の「欧米で勢力を強めている『自国第一主義』というものが、日本でも起きつつある」という見解も紹介した。
コメントを求められた玉川氏は「不満や不安が高まっている層が現実にあるが、そういう層の人々は、ワクチンを支援しないといけないような国とは違う。ワクチンを支援しないといけないような国は、生きるか死ぬかギリギリの国ですよね」と主張。「日本人の中にも、もちろんギリギリの人はいるんですけれど、参政党などに投票している人たちの不満というのは、生きる、死ぬということよりは、富の偏在とか機会の偏在への不満を持ったり、不公平感を感じている人だと思う」「そういう不満や不公平感のはけ口を求めているのは、ずっとあったと思うんですが、それが今回、ポピュリズム政党が、そのはけ口を提供したんだろうなと僕は理解している」と、持論を口にした。
また「そのはけ口になるところというのは、だいたいが少数派。外国人や、ちょっと前だと生活保護を受けているような人とかが、恵まれているのではないか、自分たちより厚遇されているということで、それがはけ口になっている」「ある意味、『いけにえ』だと思う。社会の中でいえば」と踏み込んで答えた。
玉川氏はさらに「これはどんな世界でもあること。たとえば学校でいえば、いじめと同じ構図と思う。その人がいじめられる理由は特にないけれど、何となくみんなが持っている不満のはけ口として、いじめの対象が選ばれている。そういうものと同根のものが、ここにはあると思う」とも主張。「本当に排外主義が進んで、鎖国でもして、外国人が日本からいなくなったら、それで自分の生活がよくなるかといえば、よくはならない。そのときに何に気付くかというと、次のいけにえを求めるということになる。次々にいけにえを求めていく社会というのは、いつか自分がいけにえ側に立たされてしまうことがあると思うので、だから私は(自国ファーストに)反対です」と訴えた。
8/22(金) 12:02 日刊スポーツ
https://news.yahoo.co.jp/articles/15f34168e55fc3bdee12571e678b667e5291ddbc