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韓国でも旧統一教会は絶体絶命のピンチ 韓鶴子総裁にも司直の手が伸びる!
尹錫悦前大統領の夫人、金建希(キム・ゴンヒ)氏に絡む疑惑を徹底的に捜査している特別検察官チーム(特検チーム)は18日午前、ソウル近郊の京畿道・加平にある世界平和統一家庭連合の本部とソウル本部の家宅捜索に入った。
家宅捜査の対象には世界平和統一家庭連合の韓鶴子(ハン・ハッジャ)総裁が住んでいる天正宮も含まれていることもあって教会側は信者らを動員し、家宅捜査を阻止しようと、抵抗を続けているようだ。
両本部に捜査官を送り込んだ特検チームは関連資料やパソコン内のファイルなどを確保し、旧統一教会側が「コンジン法師」と呼ばれるチョン・ソンベ氏を通じて金夫人に不当な請託をした疑惑を解明することにしている。
旧統一教会側の請託は▲大統領就任式への招待▲カンボジアのメコン川開発(メコン平和公園開発)計画事業への支援▲朝鮮半島平和のため国連第5事務局のDMZ(非武装地帯)平和公園への誘致▲韓鶴子総裁の3男、文顯進(ムン・ヒョンジン)が設立した「グローバルピース財団」によるニュースチャンネル「YTN」買収入札への参加▲教育部長官の統一教会関連行事への出席などである。
その見返りとして、当時教会No.2だった尹英鎬(ユン・ヨンホ)元世界本部長は2022年4月から8月にかけて「コンジン法師」を通じて金夫人に6000万ウォン相当のダイヤモンドネックレスの他、シャネルの高級バッグなどを贈与し、トランプ第1次政権時のペンス副大統領と尹錫悦大統領候補との会談をセッティングし、大統領選への「旧統一教会」側の支援を確約したとされている。
尹元世界本部長は取り調べに対し、金建希夫人に働きかけを試みたことを認め、この件については「韓鶴子総裁の決済を受けて行った」と供述している。これに対して旧統一教会側は「尹英鎬の個人的な行動であり、教団とは何の関係ない」と容疑を否認している。
尹元世界本部長と金夫人を繋げたとされる「コンジン法師」は検察の取り調べに当初は疑惑を全面否定していたが、その後「ネックレスなどは受け取ったが、金夫人には渡しておらず、すべて紛失した」と供述を翻している。特検チームはいまだ、ネックレスやハンドバックなどの証拠品を押収できていない。
注目すべきは特検チームが旧統一教会疑惑関連で尹錫悦政権時代に与党「国民の力」のNO.2(院内総務)だった権性東(クォン・ソンドン)議員の国会会館内事務所と地元(江原道江陵)の事務所にほぼ同時に家宅捜査に入ったことだ。
代表的な「親尹派」で知られる権議員は大統領候補だった尹錫悦氏が2022年2月13日に統一教会系のユニバーサル平和連合(UPF)が主催した「朝鮮半島平和サミット」行事への出席をコーディネートした疑いが持たれている。この行事の共同実行委員長がまさに尹元世界本部長で、当日は開会宣言を行っていた。
当時、尹大統領候補は同じく来賓として出席したペンス元副大統領と別室で会談したが、これも権議員と尹元世界本部長がセットしたもので当時、通訳は尹元世界本部長の秘書が担っていた。こうしたことから特権チームは権議員が尹元世界本部長と尹夫妻の橋渡し役の役割を担ったと睨んでいる
権議員は尹元世界本部長が設立した社団法人「GLA」の行事にも出席し、直接祝辞を述べるほど親密な関係にあり、権議員が働きかけたのか定かではないが、この行事には同じく「親尹派」の羅景垣(ナ・ギョンウォン)、尹相現(ユン・サンヒョン)の2人の重鎮議員も映像で祝辞を送っていた。
なお、韓総裁には「2008年からラスベガスのカジノで遠征賭博を行っていた」との賭博疑惑もかけられている。
特検チームが保管している資料には韓総裁がラスベガスでの賭博で巨額を失った内訳と、旧統一教会側の秘書室長や北米大陸会長らによるカジノ利用記録が含まれていると伝えられているが、旧統一教会側は「宗教指導者が、布教の中心国と拠点を訪問するのは当然のこと」だとして、遠征賭博疑惑を否定している。
韓総裁らの賭博疑惑については日本では2022年に「週刊文春」などが追及していたが、韓国で警察や検察が動かなかったのは教会側が当時与党だった「国民の力」を通じて裏から手を回していたからではないかと、特検チームは睨んでいる。
辺真一
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/14b84713732325133bcff7e36cd6ac41e39802d2