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【環境】海底火山の噴火で発生した軽石を瞬時に活用した魚に感動
◆軽石問題に悩む沖縄で感じた幼魚の逞しさ
小笠原諸島の海底火山の噴火で発生したとみられる軽石が各地に漂着している問題で、大量の軽石が伊豆諸島に到達。
軽石が最初に漂着した沖縄では、まず漁港に多く流れ込みました。幼少期から漁港をメインフィールドに観察をしてきた岸壁幼魚採集家の鈴木香里武さんは、軽石の動向を案じます。
鈴木さんによると、そもそも漁港は外のものが中に吸い込まれていく構造になっているため、「今回の軽石や人間が出したゴミなどの終着点でもある」と語り、「漁港は環境を知るための入口でもあることがわかる話題だった」と今回の一件を振り返ります。
そして、報道では軽石による環境や漁業への影響が懸念され、鈴木さんも心を痛めていた一方で、新たな発見もあったと言います。それは10月末、沖縄の漁港に漂着した軽石にくっついてアミモンガラという南方のカワハギの仲間が大量に入ってきたこと。
アミモンガラは、海鳥など外敵に狙われないよう海に浮かんでいるものにくっつく習性があり、これまでは海藻やゴミなどの下にくっついて日本へと流れ着いていたものの、今回は軽石が利用されました。
これに鈴木さんは「(軽石は)彼らにとっては急に現れた新たなアイテムなのに、こんなにも瞬時に活用して生きている」と驚きの声を上げ、「幼魚の逞しさを改めて感じた」と感心しきり。
なお、このアミモンガラは“死滅回遊漁”と呼ばれ、南の暖かい海出身であるため「冬になって海水温が下がると、それ以上生きられずほとんどがそこで死んでしまうか、もっと暖かいところに行くかという流れ」と解説します。
アミモンガラは、以前から黒潮の影響で南方から関東にも漂流していたことから、「軽石によって(生態系などに)大きな変化はないと思う」と見解を示しつつも「こればかりはなんともわからない」と話し、軽石が及ぼす影響を案じていました。
ヤフーニュース(TOKYO MX)11/27(土) 19:16配信