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国税庁の調査によると、会社員の平均給与は433万1,000円。この数値をみて「平均はこんなに少ないんだ」と驚くか、「平均はこんなにもらっているんだ」と驚くかは、働く会社の規模によるかもしれません。会社員の間に広がる給与格差についてみていきましょう。
男性会社員の平均給与…500万円以下が過半数
国税庁『令和2年民間給与実態統計調査』によると、会社員(平均年齢46.8歳、平均勤続年数12.4年、男女計)の平均給与は433万1,000円。その内訳をみていくと、給料と手当合計の平均は368万5,000円、賞与の平均は64万6,000円でした。
さらに男女別にみていきましょう。男性会社員(平均年齢46.8歳、平均勤続年数13.9年)の平均給与は532万2,000円。給料と手当合計の平均は449万4,000円、賞与の平均は82万8,000円。女性会社員(平均年齢46.7歳、平均勤続年数10.1年)の平均給与は292万6,000円。給料と手当合計の平均は253万8,000円、賞与の平均は38万8,000円。正規、非正規と雇用形態の差もあり、男女では240万円程度の給与格差が生じています。
さらに給与分布をみていくと、男性会社員の場合、給与500万円以下が56.9%。給与1,000万円以下が93.0%。昨今、「不公平だ!」と話題の18歳以下への給付金。年収960万円が足きりラインになっていますが、声をあげているのは1割ほどの人といえます。
また年収2,000万円を超えるのが0.8%と、会社員の100人に1人以下という珍しい存在。さすがにここまで年収が多くなると、余裕が出てくるでしょうか。
【男性会社員の給与分布】
「100万円以下」3.6%
「200万円以下」7.0%
「300万円以下」11.5%
「400万円以下」17.5%
「500万円以下」17.3%
「600万円以下」13.5%
「700万円以下」9.2%
「800万円以下」6.5%
「900万円以下」4.1%
「1,000万円以下」2.8%
「1,200万円以下」3.2%
「1,400万円以下」1.5%
「1,600万円以下」0.8%
「1,800万円以下」0.5%
「2,000万円以下」0.3%
「2,000万円超」0.8%
出所:国税庁『令和2年民間給与実態統計調査』
一方で、給与から天引きされる所得税の税率は、年収330万円から694万9,000円は20%、年収695万円~899万9,000円では23%。900万~1,799万円になると33%に跳ねあがり、1,800万~3,999万9000円までは40%、4,000万円以上だと45%。給与の多くが税金にもっていかれる現状を顧みると、高給取りは高給取りならではの愚痴がたまっていそうです。
会社員の平均給与…企業規模で生じる、明らかな格差
給与格差といえば、大企業と中小企業といった、企業規模による差。キャリアアップを目指し、転職が当たり前になっているなか、「企業の規模は問わない!」と大企業から中小企業へジョブチェンジする人も多いでしょう。そのなかには「転職したけど、やっぱり給与はあがらなかった」と落胆する人も。前出の調査によると、企業規模による給与差は明らかです。
事業所の従業員が100人以下企業の平均給与は430万9,000円。一方で従業員1,000人以上企業では496万5,000円、従業員5,000人以上企業では508万7,000円。平均で、80万円近くの格差が生じています。さらに従業員10人をきると、平均給与は400万円を切ってしまいます。
【従業員数別「平均給与」】
「1~4人」314万0,000円(298万8,000円/ 15万2,000円)
「5~9人」375万6,000円(349万3,000円/ 26万3,000円)
「10人以上」408万3,000円(368万6,000円 /39万7,000円)
「30人以上」408万8,000円(355万8,000円 /53万0,000円)
「100人以上」430万9,000円(361万1,000円/69万7,000円)
「500人以上」464万7,000円(384万4,000円/80万3,000円)
「1,000人以上 」496万5,000円(398万9,000円/97万6,000円)
「5,000人以上 」508万7,000円(406万2,000円/102万4,000円)
出所:国税庁『令和2年民間給与実態統計調査』
※数値は男女計
※(かっこ)内数値左:給料・手当の平均額、数値右:賞与平均額
もちろん、数値は平均値。より規模の小さな企業に転職し、重責をまかされ、給与がアップした、という例もあるでしょう。また給与だけが働くことの基準というわけではなく、価値観は人それぞれ。ただ「よりよい給与を」と望むのであれば、やはりできるだけ大きな企業を目指したほうが可能性は高い、というのが現実です。
https://news.yahoo.co.jp/articles/76a4b92a688e577138fc9a4179b553fbdb4ac744