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【Money1】 韓国「うちの国だけ空母がない」せや!――という話。
狭い黄海に空母を浮かべてもすぐに中国の対艦ミサイルの餌食になりそうですし、使い道はありません。
にもかかわらず、なぜか「空母がほしい」とダダをこねるヘンな国で、韓国メディア『毎日経済』に
「『韓国だけが持っていない、航空母艦』…海軍、野心的な計画を立てたというが」という記事が出ました。
記事から一部を以下に引いてみます。
ウクライナ戦争や中東地域の情勢不安などを契機に国防・安全保障の重要性が高まる中、
韓国海軍が無人機を活用した「ドローン航空母艦」の確保を推進することにした。
軽空母に有人・無人戦力を結合させることで、未来の海洋戦において優位を確保することが海軍の目標である。
08日、『国民の力』のユ・ヨンウォン議員が海軍から受け取った「多目的有人・無人戦力指揮艦確保計画」によると、韓国軍は
有人・無人航空機を搭載可能な指揮艦3隻と、機動艦隊傘下の3個機動部隊、その他の潜水艦などで構成される戦力を編成する準備を
進めている。
戦力の中心となる指揮艦は「多目的有人・無人戦力指揮艦(MuM-T Carrier)」1隻と、既に韓国軍が運用している大型輸送艦である
独島艦および馬羅島艦である。
これら3隻を任務に応じて活用し、有人・無人海洋戦闘団または有人・無人強襲上陸団として編成することを海軍は準備中だ。
3隻の指揮艦のうち、「MuM-T Carrier」は既存の軽空母建造事業を一部変更して推進することで建造される艦艇である。
軽排水量※(艦艇が貨物・燃料・清水などを積まずに水に浮いている際の排水量)は約3万トンであり、
艦の建造費用は2兆ウォン台後半と予想されている。
※原文は「경하 배수량」となっていますが、これは”light displacement” または “lightweight displacement”を意味していると
思われます。「軽排水量」と訳しました:引用者注
海軍はこの艦の設計および建造に約11年を要すると見ており、2030年代後半までに確保することを目標としている。
(後略)
⇒参照・引用元:『毎日経済』「“한국만 없어 항공모함”…해군, 야심 찬 계획 세웠다는데」
https://www.mk.co.kr/news/politics/11362334
↑翼無人機を独島からの離陸させる実験を行っているところ。
あの役に立たない強襲揚陸艦「独島」(LPH-6111:2007年就役)を無人機の空母に使おうという計画だというのです。
ついでに同級の「馬羅島」(LPH-6112:2021年就役)もこれに使う予定――とのこと。
そもそも独島なる船は非常にポンコツな艦艇です。見た目こそ軽空母に近く、ヘリ用甲板を持ちますが、
防御力・指揮管制能力・戦闘機運用能力が弱々です。
それより何より、2010年10月頃、独島は訓練および任務の一環で出港していましたが、エンジントラブルにより航行不能となり、
曳航されて戻るという事態が発生したことがあります。
軽空母的運用を意識しながらも、実際のところ「輸送艦」以上のものではないという評価もあります。
一時期、F-35B導入を検討していた時期もありますが、独島・馬羅島は構造的に耐熱甲板などの対応がありません。
Money1でもご紹介したことがありますが、F-35Bの導入もやめました。
そもそも強襲揚陸艦に分類されていますが、どこに強襲揚陸するつもりなんだ――という話です。歴史上、まともな外洋海軍など
一度も保有したことのない国が「機動艦隊」などといってるわけですから、まさに大笑いです。
韓国国内でも「派手な艦をつくったが、実際には乗せる海兵隊も、出す先もない」と揶揄されることがあります。
「ドローンの母艦にでも使うべか」なのかもしれませんが、まあ何でもやってみるといいでしょう。
(吉田ハンチング@dcp)
2025.07.09
https://money1.jp/archives/151441