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【毎日新聞】選挙に乗じたヘイトスピーチ、各地で横行…市民団体の在日コリアン3世「外国人は恐怖や孤立感を感じる」
【図解】参院選で与党が過半数を獲得するには
「選挙には二度と出たくない」。23年の統一地方選に立候補した海外ルーツの女性はこう振り返る。
20年以上前に留学生として来日した女性は、日本人男性と結婚し、17年に日本国籍を取得。企業で働きながら子育てをし、その両立の難しさをSNSにつづった。多くの人から共感の反響があり、市民団体を結成。子育て施策を充実させようと、市議選への出馬を決めた。
しかしすぐに相手候補から執拗(しつよう)な攻撃にさらされた。
選挙で街頭に立った際、近づいてきた相手候補が「この地域が○○(女性の出身国)に乗っ取られる。投票してはいけない」と演説を開始。さらにスマートフォンで撮影され、その日のうちにユーチューブで配信された。コメント欄には「殴り殺そう」という文言が載り、身の危険を感じた。遊説中に見知らぬ人から「あなた○○人らしいじゃない。汚らわしい」と声を掛けられることもあった。
ヘイトスピーチ解消法は、海外出身者に対し、差別を助長する目的で公然と危害を告知したり侮蔑したりして、排除しようとする言動を「不当な差別的言動」と定義している。ただ罰則はなく、女性は警察や選挙管理委員会にも相談したが、中傷は止まらなかった。
選挙では自身も相手候補も落選し、「ヘイトスピーチがなければ、もっと政策を訴えることができたのでは」との心残りがある。だが家族に被害が及ぶことを恐れ、政治の世界からは離れた。
他にも事例はある。JR川崎駅前で毎週末にヘイトスピーチを監視するため集まる「川崎駅前読書会」によると、22年7月の参院選で神奈川選挙区に出馬した候補の関係者が、川崎市内で「暴れるな朝鮮人」とプラカードを掲げ、在日コリアンを侮蔑するような発言を繰り返したという。
3日に公示された参院選では被害を防ごうと、市民団体「ヘイトスピーチを許さないかわさき市民ネットワーク」は6月、県選挙管理委員会に要請書を提出した。ヘイトスピーチ解消法の周知や、ネット上での虚偽や真偽不明の情報の拡散を認知した場合は法務省と連携し、その旨を公表することを求める内容だ。
団体メンバーの在日コリアン3世の崔江以子(チェカンイヂャ)さんは「マイノリティーの外国人には参政権もない。選挙活動中に自由な言論の下でヘイトスピーチが拡散されれば、外国人の市民は恐怖や孤立感を感じる」と語る。
ヘイトスピーチに詳しい師岡康子弁護士は「外国人に対する差別をあおるのは、人種差別撤廃条約違反でもある。今は差別や暴力がまん延し、民主主義社会が壊れていく危機的な状況にある。選挙では、候補者の主張が誰もが尊重される社会づくりにプラスなのかという観点でチェックしてほしい」と話した。【矢野大輝】
毎日新聞 2025/7/4 19:41(最終更新 7/4 19:47)
https://mainichi.jp/articles/20250704/k00/00m/040/318000c
引用元:https://awabi.2ch.sc/test/read.cgi/news4plus/1751843203/