韓国訪問客は過去最多でも「お金を使ってもらえない」…観光業が抱える「数より質」の課題

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韓国訪問客は過去最多でも「お金を使ってもらえない」…観光業が抱える「数より質」の課題

1: ばーど ★ 2025/05/29(木) 12:49:49.50 ID:H2yX2sv5
【05月29日 KOREA WAVE】2025年1~3月期、韓国を訪れた外国人観光客が過去最多を記録する一方、観光収入の回復は依然として鈍い。「数は増えたが、財布は開かない」現象が続いており、韓国の観光業界では警戒感が強まっている。

旅行情報企業「ヤノルジャリサーチ」が22日発表した「2025年1Qインバウンドおよびアウトバウンド観光実績」によると、第1四半期の訪韓外国人観光客は計387万人で、前年同期比13.7%増。新型コロナ前の2019年同期と比べても0.7%増で、量的には完全回復を達成した。

しかし、観光収入は37億8000万ドルにとどまり、2019年(49億6000万ドル)と比べ23.8%減少。1人あたりの平均消費額も976ドルで、2019年の1290ドルから24.4%の減少となり、訪問者数の増加が収益性の改善に直結していない構造的課題が浮き彫りとなった。

収入の鈍化要因のひとつとして、クルーズ客の増加が指摘されている。2025年1Qのクルーズ客比率は全体の7.4%で、2019年(0.7%)の10倍以上に達した。しかし、彼らは滞在時間が短く、宿泊・飲食・買い物に費やす金額も限定的で、地域経済への波及効果は乏しい。

また、外国人向け免税店の売り上げも2019年の40億9000万ドルから2025年は15億9000万ドルへと大きく落ち込み、中国人観光客の消費減少と購買行動の変化が影響したとみられる。

訪韓観光客のうち、アジア圏は全体の81%(約314万人)を占めるものの、2019年比で回復率は98.1%にとどまる。中国人観光客は133万人で、2019年(160万人)と比べ約84%の水準だ。

一方、米国(+37.6%)、ヨーロッパ(+2.5%)、アフリカ(+13.4%)、オセアニア(+44.7%)といった長距離市場は、2019年の水準を超える回復を見せている。

ヤノルジャリサーチのソ・デチョル研究員は「アジア圏の需要回復が遅れている背景には、地方空港への外資系航空会社の直行便が不足していることがある」と指摘。特に日本からの訪韓便は、韓国の航空会社に依存しており、日本の地方空港からの直行便は限られていると述べた。

例えば、台湾からの訪韓者数は39万5000人と前年より40%超増加し、米国を抜いて3位に浮上。台湾人訪韓客のうち38%以上が金海、済州、大邱など地方空港を利用しており、国内外航空会社のバランスある路線展開が成功につながったと分析されている。

一方で、韓国人の海外旅行は急速に回復している。2025年1Qの出国者数は780万人で、2019年(787万人)の99.1%に迫る。日本への旅行者は250万6000人で、2019年比で20.4%増。ベトナムも126万人(+13.8%)と好調だったが、タイ(−7.3%)、米国(−4.6%)、フィリピン(−24.1%)、香港(−24.9%)、マカオ(−34.3%)は減少した。

韓国人の海外旅行支出は70億8000万ドルで、2019年(71億9000万ドル)に近づき、1人あたり支出額も908ドルと、2019年(914ドル)とほぼ同等に戻った。

この結果、2025年1Qの観光収支は33億ドルの赤字を記録。2019年の赤字(22億3000万ドル)と比べて50%以上も拡大した。

ヤノルジャリサーチのホン・ソグォン首席研究員は「持続可能な観光産業には、量的成長ではなく、滞在日数や消費額を増やす質的転換が求められる。地方空港を拠点とした航空インフラの多様化と、高付加価値な観光商品の開発こそが、観光収支改善の鍵になる」と提言した。

KOREA WAVE/AFPBB News 2025年5月29日 11:30
https://www.afpbb.com/articles/-/3580325


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