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発酵・菜食の1日三食の食文化…「精進料理」が韓国国家無形遺産に
精進料理は仏教が韓国に伝来して以来、韓国の食文化と相互に影響を与え合いながら発展してきた。高麗時代『東国李相国集』、『曹渓真覚国師語録』、『牧隠詩藁』のような文献から菜食ギョーザや山カラシナキムチなど寺院の食に関連した記録からも分かる。朝鮮時代には『黙斎日記』や『山中日記』の記録を通じて寺院が豆腐・味噌玉麹など醤(ジャン)類や保存食の主な供給処としてその役割を果たしていたと同時に、士大夫家(官僚家)と穀物を交換するなど食を通じて民間と交流してきた様子も知ることができる。
現存する精進料理は僧侶の日常的な修行食や鉢盂供養に代表される伝統的な食事法を包括する。共通しているのは仏教思想に基づき肉類や魚、五葷(ニンニク、ネギ、ニラ、ラッキョウ、ノビル)なを加えずに料理をする菜食が特徴だ。
このような精進料理は健康食を追求する現代人の献立にも深いインスピレーションを与えている。「ミシュランガイド ソウル&釜山(プサン)2025」で創意的な韓食ファインダイニングとしてミシュラン3つ星を獲得した「ミングルス」のオーナーシェフ、カン・ミング氏は「シェフのチョ・ヒスク氏(2020年アジアベスト女性シェフ選定)と正寛(チョングァン)僧侶〔白羊寺(ペクヤンサ)、精進料理の大家〕から教えを受けたことが料理人生のターニングポイントだった」と明らかにしていた。
国家遺産庁は「醗酵食品中心の料理方式と地域食材の活用、寺院が位置した地域の郷土性反映など他国の精進料理と差別化されるうえに現在も寺院内で盛んに伝えられていて、伝統的な調理法を維持しながらも創意的に再解釈するなど国家無形遺産として指定価値が認められる」と説明した。
これによって共同体種目として認められた国家無形遺産はアリラン(2015年指定)を皮切りに、相撲やキムチの漬け込み(以上2017年)、醤(ジャン)作り(2018年)、ユンノリ(2022年)、ハングル書道(2025年)など、計23種目になった。
国家遺産庁は「精進料理に対する学術研究、伝承活性化プログラムなどを積極的に支援し、国家無形遺産としての価値を共有し、積極的に行政を通じて国家無形遺産新規種目指定を拡大する」と明らかにした。
中央日報日本語版2025.05.19 15:22
https://japanese.joins.com/JArticle/333929