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【韓国記者コラム】「再使用型ロケット主流」の時代に、韓国は「使い捨て」…宇宙開発の未来に懸念
スペースXのファルコン9ロケットによる打ち上げ(c)AFP/news1
【05月10日 KOREA WAVE】米国の宇宙企業スペースXが開発した再使用型ロケット「ファルコン9」の試験・開発費用は約5500億ウォン(約550億円)程度とされている。市販部品を最大限活用する民間主導の開発方式により、大幅なコスト削減が実現された。
一方で、韓国が主力として開発している「次世代発射体」事業の予算は、すでに2兆ウォンを超えている。
韓国は宇宙輸送分野において後発国であり、国家主導の宇宙開発モデルから脱却できていないため、単純な比較は適切でない部分もある。
しかし、問題はその巨額予算で開発される発射体が一度きりの使い捨てという点にある。
現在の宇宙産業のトレンドを鑑みれば、2兆ウォンの税金で市場に取り残される技術を開発することになりかねない。
ファルコン9の打ち上げ単価(重量1kgあたり)は、韓国の「ヌリ号」に比べて約7分の1の水準であり、400回を超える打ち上げ実績によって高い信頼性を確保している。世界中の発射依頼が殺到し、打ち上げの「順番待ち」が発生するほどだ。
すでに宇宙輸送市場では、再使用型でなければ生き残れない構造になっている。
当初は使い捨てで計画された次世代発射体事業を、再使用型に転換しようとする韓国宇宙航空庁の模索も、まさにこうした背景から始まった。ただし、最近では事業変更に伴う予算増加や遅延の懸念が持ち上がり、その勢いが削がれているようだ。
もちろん、次世代発射体がファルコン9のように完全な再使用を目指すのは現実的に難しい。それでも、利益が見込める宇宙輸送市場に韓国の企業が参入できるよう、国家が先行して実証実験を担い、道を切り拓くことに意義がある。
一部からは「原案通り、使い捨てで完了させた方が安全だ」という声もある。
しかし、それが果たして税金の有意義な投資だったのかについては疑問が残る。
もし予算当局がこの問題をあまりにも慎重に見すぎるようであれば、膨大な資金を投じて時代遅れの発射体を生み出すだけの事業で終わってしまう可能性がある。【news1 ユン・ジュヨン記者】
2025年5月10日 12:00 発信地:韓国
https://www.afpbb.com/articles/-/3576975