【毎日】オレはザリガニか？　韓国の若者を尹氏擁護に走らせた「被害者意識」

>>2025/5/6 05:00（最終更新 5/6 08:26）
毎日新聞

　韓国の尹錫悦（ユン・ソンニョル）前大統領による昨年12月の「非常戒厳」宣布について憲法裁判所は4月上旬、「民主主義の否定」と断じ、尹氏を罷免した。しかし、英シンクタンク「エコノミスト・インテリジェンス・ユニット」は「世論の両極化」も韓国民主主義のリスクだと指摘する。実際に尹氏の弾劾・罷免の賛否について韓国世論は割れ、弾劾に反対する保守強硬派の集会に大勢の若い男性が結集する現象も起きた。なぜ若者たちは野党を「反国家勢力」と呼ぶ尹氏に同調したのか。

共通する進歩派への強い不信感
　ソウルの市場調査会社に勤める男性、鄭真洙（チョンジンス）さん（36）＝仮名＝は2月中旬、南西部・光州で尹氏を支持する保守強硬派が主催する大規模集会に参加した。鄭さんが約300キロ離れた光州まで足を運んだのは強い危機感からだ。当時の尹氏は捜査当局に内乱首謀容疑で逮捕され、収監されていた。

　「極左の偏った裁判官が不当に逮捕状を出した。反国家勢力から尹大統領を守らねばならない」

　鄭さんだけでなく、集会に参加した20代、30代男性たちに共通するのが、弾劾を主導した進歩派の野党「共に民主党」に対する強い不信感だ。戒厳令を宣布した際、共に民主党など野党を「破廉恥で北（朝鮮）に従う反国家勢力」と指弾した尹氏と、その点で気持ちがつながっている。

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https://mainichi.jp/articles/20250505/k00/00m/030/111000c