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【きこう戦士グレタ】惑星救うおかげで「国中停電」「こんな流れになってしまった」COP26議長涙の謝罪 背後にCO2削減で儲ける大資本
11月13日夜(日本時間14日早朝)、会期が2日延長されたCOP26(国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議)がようやく閉会した。今回は英国が議長国のため、会議はスコットランドのグラスゴーで開かれていた。議長を務めた英国のシャーマ前ビジネス相は、最後の本会議で成果文書「グラスゴー気候協定」を採択するときのスピーチで、「こんな流れになってしまった」ことを謝罪し、無念の涙に声を詰まらせた。
■ガソリン車や飛行機に乗るな、肉は食べるな…
まず、グレタ・トゥンベリ氏が創立者であるFridays for Futureが言っているのは、温暖化を今すぐに止めないと、異常気象に歯止めがかからず、地球はまもなく人間の住めない惑星になってしまうというもの。だから、人間が地球から自然を収奪するのをやめなければならない。
そして、世界の多くの人々がこの考え方に啓発され、「惑星を救う」ために連帯し始めた。彼らの行動を具体的に言うと、ガソリン車とディーゼル車に乗るな、飛行機や豪華船に乗るな、メタンガス発生の温床は酪農であるから肉は食べるな、新品の服は買うな。あるいは、石炭火力発電を即刻停止させろ。要約すれば、豊かさはもう要らないということか。
地球上には、飛行機はもとより、ガソリン車にも乗れず、肉も食べられず、新品の服も買えず、火力発電所どころか電気なしで暮らしている人が、14億人もいるのだそうだ。また、まきなどで調理や暖をとらなければならない人が30億人。呼吸器に対する健康被害は膨大だ。豊かな国の子供たちとは別世界の話だ。
■環境活動家を政治家がサポートし、その背後には…
ただ、これまでは、CO2削減が人類としての最大の目標とする欧米の主要国の政治家(最先鋒がEUの欧州委員会と米国の民主党の一角)が、活動家の主張を正論とし、その主張や行動をあまり精査せず、一括にサポートしてきた。その背後に、CO2削減で儲(もう)けようとする大資本がずらりと控えていることは疑うべくもない。
そして、国際環境活動家はいわば実働部隊であり、それにお墨付きを与えているのが国連の事務総長や一部の研究者という構造だ。そして、ここ数年、多くの国民がこの運動に賛同した結果、「気候危機説」はどんどん盛り上がった。この裏に潜む壮大なカラクリについては、12人の共著である『SDGsの不都合な真実 「脱炭素」が世界を救うの大嘘 「地球温暖化」でいったい誰が儲けているのか』(宝島社)に詳しい。ぜひとも参照されたい。
そのうち西ヨーロッパでは、「地球環境正義」のような雰囲気までもが形成されていった。COP26の期間中、グラスゴーでSUVなど大型ガソリン車のタイヤの空気が抜かれるなど嫌がらせが多発したと、複数のメディアが報道しているが、ドイツではそんな事件はたいして珍しいことではない。環境を思う気持ちに駆られた人たちが、環境を破壊していると思われる人に鉄拳を下すのは正義であるという思い込みが横行しているのだ。だから、SUVなどは夜中には路上駐車しない。
■なぜトゥンベリ氏はCOP26を欠席したのか
とはいえ、今回、何かが変わったと感じているのは私だけではないはずだ。「気候危機説」は今もなお燃え盛っているが、シャーマ議長が言ったのとは違った意味で、「流れ」が変わり始めている。まず、大きな違いは、トゥンベリ氏がCOP26に参加していなかったこと。
今回のCOP26では、トゥンベリ氏は会場の外のデモには参加したが、会議の公式ゲストではなかった。そして、彼女の今回のCOP26に対する評価は手厳しく、「COP26には何の成果もない」「会合では、政治家や権力者が私たちの未来を真剣に考えるふりや気候変動で困っている人を心配するふりをしているだけ」「本当のリーダーシップは私たちにある」「搾取をやめろ、無意味なことをああだこうだ言うのはやめろ」等々。
https://www.sankeibiz.jp/macro/news/211122/mcb2111221426009-n3.htm