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大庄洞疑惑の泥沼から脱するために李在明氏は有権者の歓心を買うような公約を掲げたが、その中途半端な内容はかえって「副作用」を招くだけだった。飲食店の過当競争を防ぐために開業免許を200万~300万ウォン(20万~30万円)で取引するようにする「飲食店許可総量制」を主張していたが、メディアによる厳しい非難に晒され、「アイデアのレベルだった」と撤回した。また全国民に50万ウォン(以降25万ウォンまで金額が下がるが)のコロナ支援金を支給するという主張も、世論の反対意見が高まるや否や撤回するなど、右往左往ぶりを見せている。
挙句の果てには、失策の連発に「選挙のスローガンの『李在明はやります!』が『李在明は撤回します!』に変わった」などと皮肉られる始末だ。こうした情勢悪化に頭を悩ませている李氏サイドが乗り出したのが、尹錫悦氏に対するネガティブキャンペーンであり、その核心が「親日フレーム」なのだ。
李陣営総出で「尹候補は親日」キャンペーン
12日、尹錫悦氏が外信記者懇談会やSNSなどを通じて、日韓関係を破壊した文在寅政権の責任を相次いで指摘するや、共に民主党と李氏陣営は猛烈な「親日攻勢」を仕掛け始めた。
李氏陣営の選挙対策委員会の朴賛大(パク・チャンデ)首席スポークスマンは、記者ブリーフィングを通じて「尹候補が日本の右翼を代弁している」と非難した。
「日本の右傾化をかばい、その責任を韓国に転嫁する衝撃的な対日歴史観を露にした親日本色を表した尹候補の対日認識に驚愕する」
「日本の右翼勢力の代弁者を自任する振る舞いは遺憾だ。尹錫悦候補は日本の総裁選に出たわけではない」
共に民主党の外交通省委議員らは、「尹錫悦・国民の力大統領選候補の亡国的歴史認識と無知な外交認識を国民は憂慮している」「日本の植民地と朝鮮戦争後の困難な状況でも今日の大韓民国を作り出し、平和のための努力に力を合わせてきた全国民に頭を下げて謝罪せよ」と要求した。
李氏の選挙キャンプも、「韓日関係の悪化について韓国側にだけ問題があるように言うことは偏った見方であり、親日的韓日観だと疑わざるを得ない」という批判を提起した。
李在明氏本人もフェイスブックで「日本が笑っている。日本メディアが尹錫悦候補について『(右傾化した日本を)隣国として認めた』と、歓迎するほどだ」と皮肉ってみせた。
親に日本留学経験まで持ち出して「親日認定」
中でも尹錫悦氏に対する親日フレーム設定の先頭に立っているのが、李在明氏選挙キャンプの選挙対策本部長を務める宋永吉(ソン・ヨンギル)共に民主党代表だ。宋代表は、尹氏の父親のユン・ギジュン=延世大学名誉教授を「親日」と罵倒することで尹氏を攻撃した。
11月8日、国民の力の候補に確定した尹氏が公式選挙運動の第一歩を踏み出した瞬間、宋代表は共に民主党本部で尹候補を「日本の後援を受けた教授の息子に生まれた既得権の象徴」と痛烈に非難したのだ。
少し説明が必要だろう。これは、ユン・ギジュン教授が1960年代に日本の国費留学生に選ばれ留学したという事実を指摘したもので、過去に韓国の国民的作家チョ・ジョンレ氏が「日本留学経験のある人はすべて親日派」と発言したのと酷似した低級な思考と言える。
(略)
「親日攻撃」は進歩系だけの武器ではない。今年4月のソウル市長選挙では、共に民主党の朴映宣(パク・ヨンソン)候補が東京にマンションを保有していたことから、「親日攻撃」に巻き込まれた。国民の力は朴氏のマンションの分譲会社が日本の戦犯企業だとし、「朴氏が日本の戦犯企業から巨額のショッピングをした」と攻撃した。
進歩系側にとっても保守系側にとっても、「親日」ほど全国民に訴求力を持つイデオロギーは他にない。このため、韓国の政治家たちに貼り付けられる親日レッテルは、今回の大統領選挙でも猛活躍するものとみられる。
李 正宣