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阪神1位森木“ウル虎マン”宣言「これからは甲子園のマウンド守りたい」
ウル虎マンが虎を救う。阪神ドラフト1位、高知・森木大智投手(18)が23日、高知市内のホテルで仮契約を結んだ。契約金1億円、年俸1200万円(金額は推定)。
将来のエース候補となる最速154キロ右腕の目標は沢村賞。幼少期に夢中になったウルトラマンのように、甲子園のマウンドを守って優勝に貢献することを約束した。
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約2時間の仮契約交渉を終えた森木は、緊張の面持ちで会見場に現れた。白い歯を見せたのは、開始約7分後。幼少期に大好きだったウルトラマンについての話題が振られた時だ。「小さい時の写真とか残っていて、見たらウルトラマンの服を着てたりとかしてます」。マウンドでは気迫全開の18歳が、照れた。
印象深いのはウルトラマンダイナ。地球を守るために体を張って戦う正義のヒーローは、あこがれだった。好きなことにのめり込む性格はこの頃から始まったのかもしれない。時間があればテレビにかじりついた少年時代だった。
「阪神さんに入ったので、これからは甲子園のマウンドを守りたいと思います」
虎に平和をもたらすために。倒さなければいけない“怪獣”には「村上選手とか意識してしまいます」とセ界王者で日本シリーズを戦うヤクルトの主砲を挙げた。抑えるための必殺技は「極秘です」とニヤリ。そこに3分のリミットはない。高校時代たどり着けなかったマウンドで、球界のモンスターたちを右腕で蹴散らす意気込みだ。
「理想は『森木が先発だったら無理だ』と諦めるくらい圧倒できるピッチング。分かってても打たれない、藤川球児さんに負けないストレートを投げたい」
将来の具体的目標に先発完投型の「沢村賞」を掲げた。頭に浮かぶのは今季初受賞したオリックス山本由伸。映像を見て研究材料にもする右腕について「勝負できるボールがすごく多い。そういう幅の広い投手になりたい」と目を輝かせる。一方で足元をしっかり見つめ「勝利に貢献できるように2年目、3年目くらいを目標に地道にやっていきたい」。パが山本ならセは森木。数年後、ウルトラ右腕として並び立つ日を目指す。
「誰に聞いても、『日本を代表するのは森木大智』と言われるくらい、周りから認められるようにやっていきたいと思います」
ウル虎マン森木が虎党の夢をかなえる。【中野椋】
◆森木大智(もりき・だいち)2003年(平15)4月17日生まれ、高知県土佐市出身。蓮池小1年時にソフトボールを始め、3年時に「高岡第二イーグルス」で軟式野球を始める。高知中では3年時に春夏の全国大会を制覇。軟式で150キロを計測。高知では1年春からベンチ入りし、同年夏からエース番号1。甲子園出場はなし。最速154キロ。憧れの投手は元阪神の藤川球児氏。184センチ、90キロ。右投げ右打ち。
◆ウルトラマン 1966年(昭41)7月にTBS系で放送が始まった、特撮テレビドラマ。M78星雲からやってきたウルトラマンが、科学特捜隊と協力して怪獣や宇宙人の侵略から地球を守る。普段は同隊のハヤタ隊員の姿を借り、変身しウルトラマンとなって戦う。数多くの後継作品が作られ、現在はテレビ東京系で「ウルトラマントリガー」を放送中。昭和から現代まで、子どもたちのヒーローとして親しまれている。