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【Money1】 中共「せや! 荷物を海上で投棄したろ」
「China’s pledge to neighbours, exporters dumping cargo mid-voyage: SCMP daily highlights」というタイトルなのですが、以下をご覧ください。
1. 中国、近隣諸国との戦略的関係を強化へ――習近平氏が表明
中国の習近平国家主席は、隣接諸国との戦略的な結びつきを強化する方針を示し、「適切に対立を管理しつつ、サプライチェーンの連携を深めていく」と述べた。
2. 中国輸出業者、トランプ関税回避のため“航行中の貨物を放棄”する事例も
米中間の貿易摩擦が激化する中、一部の中国輸出企業は破滅的な関税コストを回避するため、航海中の貨物を放棄し、コンテナを船会社に引き渡すという極端な手段に出ている。
(後略)
⇒参照・引用元:『SCMP』「China’s pledge to neighbours, exporters dumping cargo mid-voyage: SCMP daily highlights」
https://www.scmp.com/news/china/article/3305881/chinas-pledge-neighbours-exporters-dumping-cargo-mid-voyage-scmp-daily-highlights?module=perpetual_scroll_0&pgtype=article
「ちょっと待て、おい!」です。製品を積んで出港したのですが、数日の間にみるみる関税率が上昇。
125%……145%……245%と、破滅的なレベルに上がって、もはや運んでも意味などありません。
そこで、コンテナから荷物を出して海上投棄に及んだ――としています。
中国東部の港湾から輸出された低価格の繊維製品や日用品が、東南アジア航路の途中で海に投棄されたと報じられている。
投棄の原因は、
買い手が商品を引き取らなかったこと
港湾での滞留コスト(保管・再輸送費用)が利益を上回ること
――と見られます。一部の船会社や貨物業者が「不適切な方法で在庫処分を行った」と指摘しています。
海上でコンテナから中の荷物を引っ張り出して捨てるなんてことができるかしら?――と疑問なのですが、『SCMP』の後追いで、『Reuters(ロイター)』は中国・寧波港と東莞港の関係者に匿名インタビューを行い、「輸送途中で破棄された可能性は否定できない」という回答を引き出しています(2025年04月16日付け記事)。
『The Guardian』は「中国の輸出企業が“出口なき在庫”をどう処理するかという倫理的問題に直面している」と面白い指摘を行う記事を出しています(2025年04月16日付け記事)。
『Bloomberg』は「幾つかの企業では処分コストが輸送費を上回るため、廃棄を選ぶ例も出ている」と書いていますが、これが海上投棄なのかについては明言していません(2025年04月15日付け記事)。
本当にやってるのかどうか、まだ確証が得られた、とはいいにくいですが――、
(誰も引き取ってくれんけん)運んでもしゃあないし、持って返っても保管料が掛かって困るけん――海に捨てちまおう!
――というわけです。もし本当なら無茶苦茶です。
同紙によると、香港の貿易法専門家であるエリック・チャン氏は、「このような海上投棄が意図的であった場合、MARPOL条約(海洋汚染防止条約)違反の可能性があります。もし証拠が確認されれば、船会社や荷主に対する法的責任が問われることになります」と指摘しています。
問題はもっと深刻です。
中国の輸出業務がここまで逼迫していることは、単なる一時的な不況ではなく、構造的な対外信頼の喪失と物流システムの崩壊を暗示している可能性があるからです。
(吉田ハンチング@dcp)
2025.04.18
https://money1.jp/archives/146993