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学校給食、自治体「野菜減らすしか…」 米の値上がりが影響 国の無償化に不信感も
●給食費上げられず、献立見直し
4月からの学校給食用米価の大幅な値上がりが給食費を圧迫し、子どもや保護者に影響が及び始めた。
地場産や有機農産物の活用にも暗雲が漂う。
政府が2026年度に開始予定の無償化も、自治体側は「言葉が一人歩きしているだけで、中身の情報がない」といらだちを隠さない。
折しも通常国会の会期中。国は早急な対応と丁寧な説明が求められる。
「給食費を値上げできないから、献立を見直している。例えば、春雨入り野菜炒めは、
(安価な)春雨を増量し、(春雨より高価な)野菜を減らす。栄養価の不足分は他の食材で補うしかない」。西日本にある自治体の栄養教諭が打ち明けた。
学校給食法は、食材購入費に当たる給食費を原則保護者負担とする。
このため、多くの自治体が給食費を据え置くか最小限の値上げにとどめ、自主財源などで食材費を増額した自治体は少なくない。
北陸の自治体は4月から給食費の値上げに踏み切った。ただ、米の値上がり分を全額上乗せすると、1食当たり小学生30円、中学生40円の値上げになる。
月額最大800円も上昇する計算だ。
「これでは議会や保護者の理解は得られない」と考えた教育部局は、増額分のうち6、7割を独自財源と国の交付金で補填(ほてん)する年度当初予算を成立させた。
担当者は「値上げを10円に抑えたことで、何とか納得してもらえた」と振り返る。
●価格決定遅れ、補助反映できず
一方、25年度当初の給食用米価が決まるのが3月までずれ込んだ自治体の多くが、年度当初予算に値上がり分の公的補助を反映できなかった。
近畿の自治体は、おかずに使う農産物の種類を変えることで、米の値上がり分を相殺することにした。担当者は「4月は価格が高い青菜類を減らし、
お手頃価格のタマネギや芋類を多く使う献立に変えた。
(経費のかかる)地場産も減らすことになるかもしれない」と語り、給食に協力してきた地元農家への影響を懸念する。
国の無償化にも不信感が漂う。四国の自治体担当者は
「国が定額を自治体に支給するのか、学校給食法を改正して給食費を公費負担とするのか、情報がない。これでは無償化を前提にした米価の値上がり対応も決められない」
と嘆いた。
https://news.yahoo.co.jp/articles/9e9825d81d0d6f3d9b785082375dfd98b61d2823