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【サッカー】「日本に20年遅れをとっている」父が韓国人気歌手の逸材FW、U-17日本代表での活躍に識者が日韓の格差に警鐘
「韓国ではすぐに結果を出さなければならない」
サウジアラビアで開催されているU-17アジアカップで、廣山望監督が率いるU-17日本代表は、グループBで1勝1分け1敗。一時はグループステージ敗退の危機に陥ったものの、奇跡的にベスト8進出とU-17ワールドカップ出場を決めた。
その廣山ジャパンのストライカーが、韓国で小さくない注目を浴びている。同国の人気歌手であるキム・ジョンミンを父、日本人歌手の谷ルミコを母に持つサガン鳥栖U-18の谷大地だ。
オーストラリアとのグループステージ第3戦でゴールを決めた谷は、中学2年までFCソウルの下部組織に所属。日本でのプレーを希望して、鳥栖のアカデミーに籍を移した。そのため、韓国では逸材が日本を選んだのは、同国のサッカー界に問題があるからだという見方が少なくないようだ。
多くの韓国メディアが谷の“日本選択”と活躍ぶりを伝えるなか、『スポーツ京郷』はこう報じている。
「『日本に行きたかった。もっと高いレベルを目ざしたかった』。FCソウルユース出身で、韓国年代別代表で活躍した谷大地(韓国名はキム・ドユン)は、日本メディアの取材でそう語った。90年代の人気歌手キム・ジョンミンと日本の歌手、谷ルミコの息子として生まれた谷大地は、太極マークではなく日の丸をつけるという大胆な行動でサッカー界に衝撃を与えている」
同メディアは「本紙解説者のキム・デギル氏は、『以前は10試合やれば、我々が8勝、日本が2勝だったが、今は完全に逆転し、我々は10試合中2回ほどしか勝てない』と指摘した。さらに、『以前は日本のコーチが韓国に研修に来ていたが、今はヨーロッパに直行している』と説明した」と紹介。さらに、韓国の高校サッカー界の名将であるシム・ドクボ監督のコメントを掲載している。
「韓国は日本サッカーから20年遅れている。10年前は10年遅れていたが、今やさらに遅れをとっている。プレーすればそれを実感できる。日本はヨーロッパと同様に、6歳、7歳、8歳と幼い頃から体系的に基礎を鍛え上げていくので、その点で遅れをとっている。日本は(試合での)パフォーマンスを重視しないが、韓国ではすぐに結果を出さなければならないため、昔ながらのやり方に頼らざるを得ない」
「日本の選手の数は韓国の6、7倍に上る」
記事は「谷大地は、日本の体系的な育成システムと選手育成プログラムに魅力を感じ、中学3年生の時にJリーグのサガン鳥栖のアカデミーに移籍した。日本サッカー協会は、小学校から高校まで体系的なリーグ制度を確立した。一方、韓国では予算の問題で予定より1か月遅れの9日、2025年の小中高サッカーリーグが開幕した」と両国を比較。こう続けている。
「最も大きな違いは底辺に現れている。2022年の韓国サッカー協会登録選手総数は、日本の10分の1だった。年によって差はあるものの、日本の選手の数は少なくとも6、7倍に上る。キム・デギル氏は『少子化によって若者の裾野が狭まっている』と述べ、『サッカー選手になる道だけでなく、サッカーをしながら外国語を学ぶなど、他の可能性も広げられるような教育プログラムを組み合わせるべきだ』と助言した」
若者の決断が、韓国サッカー界に危機感をもたらしているようだ。
構成●サッカーダイジェストWeb編集部
https://news.yahoo.co.jp/articles/cc024a7deb09795d315393c34bfd4212f4689703?page=1