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日本の住宅は浴室・トイレが分離、台湾で普及しないのは「なぜだ?」―台湾メディア
日本の住宅はほとんどの場合、トイレと浴室が「別部屋」になっている。しかし台湾では、浴室内に便器が備えられているのが一般的という。台湾人も、清潔で便利な「日本式」が普及しないことに疑問を感じることがあるようだ。
台湾メディアの今周刊も、この問題を取り上げた。日本旅行を経験した台湾人が、日本式の浴室とトイレを分離した住宅についてその清潔さに驚き、「台湾の住宅設計の文明水準を引き上げねばならない」と主張することも珍しくないという。
台湾のネットユーザーからは、台湾では浴室の設計がきちんと考えられていないと主張し、「家族がトイレを争ったり、入浴している際に家族が入ってきてトイレを使うことを考えただけでも、頭がくらくらする」などの意見も寄せられている。
ただし、日本式の浴室・トイレの分離を「文明的」とする意見については、西洋の住宅でも浴室内にトイレが据え付けられていることは多いとして、文明の度合いとは関係ないと主張する台湾人もいる。
この問題に対して、内装設計士の盧淑媛さんは、日本の住宅は床面積が小さいために、かえって浴室・トイレの分離が一般的になったとの見方を示した。台湾の住宅では、トイレが2カ所設けられている場合も多く、そのことで住人の「使用頻度」の問題に対応している。台湾でも住宅の面積が小さい場合には、浴室・トイレの分離の要求が出て来る可能性があるが、件数としてはそれほど多いとは思えないという。
さらに、日本と台湾の浴室・トイレの設計については、双方における工法の違いも大きく関係しているという。日本の場合には、浴室やトイレのサイズが規格化されている。例えばトイレの場合には個室のサイズが2.5メートル×3メートルという標準規格があり、浴室にも規格があるので、建物全体の設計段階で浴室やトイレの設置の仕方も決められる。バスタブの排水口の位置も決まっているので、施工作業員は決められた場所にバスタブを据え付ければ、排水管との接合が可能になるという。
台湾の場合には、まず建物全体の設計が定められた後に、内装設計士がトイレのスペースや防水や使用するタイルなどをも決め、さらにバスルームの設計が決められる。盧さんは、台湾では個別対応で浴室やトイレの配置を設計しているので、日本のように浴室・トイレを分離させる施工は困難との見方を示した。
盧さんによると、台湾で日本式のユニットバスを販売している日本の業者もある。ユニットバスの大きな特長はそれ自体が防水設計なので、建物には防水のための措置が必要ないことという。ただし、ユニットバスは事前に据え付け場所の床を低くしておかねばならない。盧さんは、台湾ではそのような住宅づくりをする人はいないとして、日本式のユニットバスが広く受け入れられることはないだろうとの見方を示した。(翻訳・編集/如月隼人)
提供元:レコードチャイナ
(最終更新:2021-11-21 19:09)
https://www.oricon.co.jp/article/1701627/